今朝、地下鉄の駅で日本脳卒中協会のポスターが目に留まりました。「『脳梗塞の症状』とかけて3つの『ヘン』と解きます」というのがキャッチフレーズ。『ヘン』という言葉に興味をそそられて読んでみると、『ヘン』とは漢字の部首の『偏』のことでした。
『手偏』は「手ぇーヘンだ」で「手に力が入らず片側の腕が動かない」という症状。『言偏』は「呂律が回らぬ。言葉が出てこない」という症状。『口偏』は「口をイーッとしたとき、片方の口角が上がらない」という症状。そして、「その心は、突然こんな『ヘン』な症状が出たら、脳梗塞かもしれません」というオチが。さらに、『ヘン』だなと思ったら救急車をと呼びかけていました。
10年以上前のこと、夫が脳梗塞を起こしたことがあります。症状は「呂律が回らない」でした。会社から帰宅すると「『田中さん』とは言えるけど、『鈴木さん』が言えない」というのです。私は、あっ、これは脳梗塞の症状だとピンときて、すぐに病院に行くように勧めました。医師の診断は、やっぱり脳梗塞。発見が早かったので1週間の入院ですみました。「田中さん」云々の話は、その後、両親や兄弟などの間で、いまだに笑い話になっているのですが、笑い話にできるのも症状が軽かったおかげです。
ポスターの3つの「ヘン」は脳梗塞の代表的な症状ですし、症状の表れ方もわかりやすいので、本人も周囲の人間も気づきやすいですが、中にはわかりにくい症状もあります。「普通の頭痛とは明らかに違う頭痛が起きた」「片側の視界が一時的に真っ暗になる」「物が二重に見える」などですが、私の知人にも親の目の症状をつい見逃してしまった人がいます。どんな病気も「いつもと違う」が早期発見のキーワードですね。