会話が減ると認知症が進行。 「話し相手」がいると予防にもなる

 サービス付き高齢者住宅に入居している両親の部屋に、とぎどき遊びにくる高齢女性の入居者Aさんがいます。Aさんは1人暮らしで、女の子の人形をとてもかわいがっているとか。「○○ちゃん(人形の名前)が『寒くなってきたから風邪をひかないでね』って言ってくれるんですよ」「朝起きると『おはよう』って挨拶してくれるの」と、うれしそうに母に話すそうです。それに対して「全部コンピュータに組み込まれてるんでしょ?」と身も蓋もない感想を返す母(笑)。確かにその通りなのですが、もう少し言いようがあると思うんですけどね。現実的な母がAさんの言動に共感するのは、まぁムリでしょう。

 でも、Aさんにとって人形はとても大切な話し相手です。
 専門家によれば、会話が減るとアルツハイマー型認知症が進行し、会話をしているときの脳はとても活性化しているそうです。ヨーロッパで発表された研究では、1203人を3年間追跡調査したところ、家族や友達が多く社会的接触が多い人に比べ、乏しい人は認知症の発症率が約8倍という結果でした。会話をすることで脳が活性化して、アルツハイマー型認知症の予防効果があったのではないかと考えられています。

 わが家では、これまで猫を3匹飼いましたが、今年の1月に最後の1匹がこの世を去りました。1人娘は地方勤務のため、ついに1人暮らしに。1人になってみると、猫たちがいかに私の話し相手になってくれていたか痛感します。「おはよう」「ただいま」という日常の挨拶はもちろん、私が話しかけると「ニャニャー」「ニャ」「フ~ン」などいろいろな猫語を返してくれました。

 昨今は、仕事・プライベートともにメール連絡がほとんどなので、「今日、一言も話してない」という日がしょっちゅう。この状況、とってもまずいですよね。最近、猫型ロボット購入を本気で考えています。

M・F
介護相談員。 介護分野での執筆活動にも注力しています。 臨床美術という分野で、ご高齢者の心と体にアプローチしています。 みなさんの心に少しでもよりそい、お力になれればと思います。
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