怒らない技術2

前回、怒らない技術を実践した結果、母の態度が変わったことをお伝えしました。私が「過去と他人は変えられない、変えられるのは自分と未来だけ」「自分が変わることで相手が変わる」ということを実感した例でもあります。

介護にはイライラがつきもの。認知症は病気だとわかっていても怒ってしまう、ひどい言葉を投げつけてしまうという悩みは多く聞かれます。「怒らない技術」は介護においても有効に働くことに違いありません。そのエッセンスをお伝えします。

怒りには「不要なもの」と「必要なもの」があります。不要なものは暴力的で自己満足のもの、必要なものは教育的で他者満足のもの。後者は怒るというより叱るという表現がぴったりします。そして、怒りの8割が不要なもので2割が必要なものだそうです。必要な怒りは、例えば子供のしつけや部下の教育などの時に発揮しますね。怒りの要・不要は、怒った後で後悔があるかどうかで判断できます。誰の都合で怒ったのか、それが自分のため(感情をぶつける)であれば後悔するし、相手のためであればそれは正しかったと自分で評価することができます。

介護における怒りは、ほとんどが不要なものではないでしょうか。できなくなっていく老親に対して叱るという行為は何の意味も持たないですね。後悔の念しか残りません。

なのに、なぜ怒ってしまうのでしょうか。

怒りは一線を越えるとその感情が湧き出るというイメージがあります。その一線を作っているのは、それぞれの自分ルール、期待、価値観、思い込みなどがあります。要するに自分で怒りを作っているということです。同じ出来事でもその時の気分や状態によって、あるいは人によって「怒る」「怒らない」という差ができるのが何よりの証拠です。

では、怒らないためにどうするか。

その一線の枠を広げればよいのです。そのためには、なぜ自分はその一線を作ったのかを知ることが大切です。

老親に対して怒ってしまうのは、何の一線を越えているのでしょうか?自分のルール?親への期待?こうあるべきという価値観?それとも何かの思い込み?怒ってしまったときに、自分を責める前にそんなことを考えてみてはいかがでしょうか。少し光が見えるかもしれませんね。

M・T
介護相談員。 有料老人ホームの紹介アドバイザーとしても活動し、 3000人以上の相談経験あり。 ご本人もご家族も安心の介護を受けられるように、一緒に考えていければと思います。
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