「明日」が信じられないときは、「過去」の幸せな記憶が力をくれる

今朝、地下鉄のホームで「明日がある~。明日がある~。明日があ~る~さ~」と歌っている男性を見かけました。ちょっと心が和みましたが、一方で「明日」に希望を見い出せない人たちにとっては残酷この上ない歌ではないだろうかと思いました。

先日最終回を迎えたドラマ『僕がいた場所』は、ALS(筋委縮性側索硬化症)になった青年が病気と真剣に向き合い生きていくという重い内容でした。
ALSは筋肉が次第に萎縮していくため体が動かせなくなり、最終的には呼吸もできなくなって死に至るという難病です。『僕がいた場所』の意味をずっと考えていたのですが、最終回の彼の講演会シーンで、その答えがわかりました。
彼は、今できることをやると決めて目標を設定、その実現に取り組みました。今までできたことができなくなると次の目標。さらに次の目標へと挑み続けました。「明日」に向かって懸命に生きようとしていたのです。
しかし、呼吸機能が低下し人工呼吸器をつけるかどうかを決断しなければならない事態に直面したとき、彼は迷います。苦しみ抜いた末に彼が出したのは人工呼吸器をつけて生きるという選択でした。
彼は講演会でこう語ります。人工呼吸器をつけたら自分では何もできなくなるけれど、家族や恋人、友人、職場の仲間など多くの人たちとともに生きてきた。そのとき自分は確かにそこにいた。ひとつひとつが『僕がいた場所』だったんじゃないかと。

回想法という療法があります。これは高齢者の思い出を共感的に受け入れ、高齢者に人生に対する再評価や自己の強化を促し、心の安定や記憶力の改善をはかるもので、認知症にも有効と言われています。
生きるモチベーションになるのは「明日」だけではない。喜びや幸せに包まれた過去の体験は、その人にとってかけがいのない命の証です。「過去」が生きる勇気を与えることもあるのだと思います。
 

M・F
介護相談員。 介護分野での執筆活動にも注力しています。 臨床美術という分野で、ご高齢者の心と体にアプローチしています。 みなさんの心に少しでもよりそい、お力になれればと思います。
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