
先日、地方のサービス付き高齢者住宅で暮らしている母が上京し、一緒にお芝居を観るなどして楽しいひとときを過ごしました。
父は、その間、一人暮らしをしていたわけですが、事前に食事を申し込んでおけば食堂で食べられるので、その点は心配ありません。
母が帰った日のことです。母が新幹線に乗ってしばらくすると、「雨が降ってるから、傘を持って駅まで迎えに来た」と母のケータイに父から電話が。到着まで、まだ2時間もかかるのにです。しかも、前日、電話をしてきたときは「迎えになど行かない」と言って、到着時間も聞かなかったくせにです。準備のいい母は、もちろん傘持参。2時間も待っている必要はないと父を帰したとのこと。
母が近所の病院に入院したときも、「見舞いになんか行かない」と言ってたくせに、朝食を食べたら、すぐに病院にやってきました(笑)。
そんな話を聞くと、ほとんどの人は「なんて思いやりのあるダンナさん!」と感心するでしょう。
でも、普段は、わがままで偏屈で、すぐに怒鳴って、母を大切にしている様子など見えない父です。思いやりある行動の背景には、母への依存心があると妹も私も見抜いています。父は昔の人ですから、妻への思いやりをストレートに表現することに照れもあるでしょうが、それだけではありません。要は、一人ではいられないのです。
高齢になってから夫に先立たれた妻は、しばらくは気が抜けたようになっても、その後の回復力がすばらしい! 元気な未亡人って多いと思いませんか。
それに比べて妻に先立たれた夫はどうでしょう? 父の最近の母に対する行動を見ていると、父が1人になったらどうなるのかと心配になります。経済的に妻が夫に依存している夫婦は多いと思いますが、精神的には夫が妻に依存しているのかもしれません。
特に高齢になったら、男性は一人でも元気に生きていけるよう精神面の自立度アップを図る必要がありそうです。




