利用者と一緒に行うための生活援助のヒント

生活援助は「家事代行」と短絡的に考えていると、利用者の自立支援QOLの向上に結びつくサービスを提供することはできません。「家事代行」にしないためには生活援助の目的を見直して、利用者と一緒に行うことを積極的に取り入れる必要があると思います。
ところが、限られたサービス時間では「一緒に行う」がなかなか難しい。そこで、今回は、その実現のためのヒントをお伝えしましょう。

一緒に行う前にやるべきことは、利用者の様子を観察して「できること」「ヘルパーと一緒ならできること」「できないこと」を洗い出すこと。また、会話の中から興味や生活歴を聞き出して、それをヒントにして家事参加へとつなげることもできるでしょう。
では、具体的にどんな方法なら、利用者の家事参加が可能になるのでしょうか。
家事にはスタートから完了までの工程に、さまざまな作業がありますよね。例えば、拭き掃除なら、1.バケツを蛇口まで運ぶ。2.バケツに水を入れる。3.バケツを床に置く。4.必要枚数の雑巾をバケツに入れる。5.すべての雑巾を絞る。
雑巾を絞るところまで到達するのに、すでに5工程!拭き掃除後に雑巾をベランダの物干しに干して完了だとすると10数項目の工程があるのです。
掃除、洗濯、調理、買い物などの工程を細かく書き出してみると、利用者ができること、できないことが見えてきます。
また「一緒に行う」の解釈を広げると、利用者ができることが増えてきます。
「一緒に行う」とは、同じ作業を同じ時間に一緒に行うことだけではありません。ヘルパーが夕食の支度をしている間に、利用者には洗濯物をたたんでもらうといった協力体制を築く手もあります。また、ヘルパーが訪問する前日などに、利用者ができる家事をやっておいてもらうといった「時間差」の協力体制も「一緒に行う」と考えていいのではないでしょうか。

「○○さんと一緒にできることは何かな?」と考えて取り入れると、介護職としての意識もきっと変わってくるはずです。

M・F
介護相談員。 介護分野での執筆活動にも注力しています。 臨床美術という分野で、ご高齢者の心と体にアプローチしています。 みなさんの心に少しでもよりそい、お力になれればと思います。
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