高血圧を放置しておくと、脳卒中や心筋梗塞など重篤な病気になり、命を落とす場合もあります。
最近、循環器系の医師取材をする機会が多いのですが、誰もが口を揃えて言うのは「減塩」と「運動」が高血圧の改善には不可欠ということ。特に「減塩」指導を中心にしている医師は多く、食生活の見直しを患者に繰り返しアドバイスしているようです。
減塩の大切さは誰もが知っていることですが、これがなかなかの難題。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、塩分摂取量の目標値は、男性は1日9g未満、女性は7.5g未満。高血圧患者の場合はもっと厳しく、日本高血圧学会が定めている目標は1日6g未満です。
ところが、実情は日本人の1日の塩分摂取量は約11g。日本人の食文化には、味噌や醤油などの調味料、塩蔵という食品保存法などの背景があるため、どうしても塩分過多に。目標数値はかなりハードルが高いですよね。特に「しょっぱいものがおいしい」という食習慣が長年続いている地域では指導が難しいとか。
入院している患者が、病院食が薄味のため物足りなく、家族がこっそり持ち込んだ醤油をかけて食べているとか、にぎり寿司のネタをわざわざはがして、ネタの両面にたっぷり醤油をつけるなど、各地の塩好き人間の話をいろいろ聞きました。薄味が好みの人間にとっては驚きですよね。
私の出身は東北。比較的濃い味で育っています。でも、今は薄味が好み。
薄味って、次第に慣れていくものなんですよね。慣れるに従い、食材本来が持っているおいしさに気づくようになります。
まずは、醤油をかつおだしや昆布だしで割ったものを使ってみませんか。柑橘類や酢、ゴマやクルミ、ショウガ、シソなどを活用するのもオススメです。