
先日、母に電話をしたところ、声に張りがないし、いつもより元気もありません。何かあったのか訊ねると「右耳が突然聞こえなくなって、たった今入院した」という返事。突発性難聴という診断が下り、7日~10日ぐらいの入院が必要だと言われたそうです。
入院といっても、毎日長時間点滴するだけだとか。調べてみると、この病気は原因がはっきりしていないため、現在、推定されている内耳循環障害説とウイルス性内耳障害説を踏まえて、障害を取り除く薬剤を点滴するということがわかりました。また、発症前にストレスを感じていることが多いので、安静をキープするためにも入院が必要なようです。「お父さんが原因に違いない」というのが私と妹の推測。ストレス原因説支持派です。(笑)。
突発性難聴は、治療開始後、急速に改善する場合や徐々に改善していく場合、まったく改善しない場合もあるため、本人も私たち姉妹も心配していましたが、母の場合は徐々に改善して、退院時には8割回復、数日後には完全回復してホッとしました。
この出来事を機に、難聴の高齢者への接し方を再確認しておく必要があると感じました。難聴を経験したことのない人は、音が入りにくい、周りから入るボリュームが小さくなっているだけと単純に考えがちですが、それだけではありません。
「音が必要以上に響いて聞こえる」「耳鳴り」「耳が塞がる感じ」「めまい感」などもあり、特に老人性難聴の場合は「相手が話しかけているのはわかるが、内容が聞き取れない」という症状も。
こうした症状の高齢者に話を聞いてもらうには、まず周囲の環境が静かであることが第一条件。両手を口に添えて耳元で大声で話している人をよく見かけますが、これは音が必要以上に響いたり二重に聞こえるなどして苦痛そのもの。できるだけ一対一で口元を見せて注意を引きながら、ゆっくりハキハキと話すと聞こえやすいようです。
耳の遠い高齢者と話をしていて苛立ってきたら、自分の話し方を客観的に見つめ直してみましょう。いつの間にか大声になっていませんか?




