
父が全身MRIを撮って明らかになった「脳の委縮」。これはすなわち認知症であるということ。
でも、TAPテスト(正常圧水頭症であるかを見極める検査)で行った認知機能検査MMSE(ミニメンタルステート検査)では30点満点中28点で、正常と診断されました。
MMSEとは11の質問からなり、見当識、記憶力、計算力、言語的能力、図形的能力などを検査します。24点以上で正常と判断、20点未満では中等度の知能低下、10点未満では高度な知能低下と診断されます。
日常生活では、買い物先でお財布を忘れてきたり、会計時に小銭を出すのを面倒がったり、認知症の始まりか?と思わせる言動が時々見られますが、日経新聞を毎日隅々まで読み、時事問題や経済問題などにはそれなりに通じていて、近所のデイサービスに囲碁相手のボランティア(囲碁は4段で居住している区では1番強いらしい)に参加するなど、しっかりとした側面もあります。
一方、母も一緒に全身MRIを撮ったのですが、脳の委縮は一切見られず「きれいな脳ですね!」と先生からお褒めの言葉をいただきました。
ですが、母は些細なことでも心配しすぎる性分で、1つの心配事に囚われると他の事に頭を使うことを嫌がり、何かを考えて答えを出すということができなくなります。
「物忘れ」という部分では、父母に大した違いがありません。
「脳の委縮」という器質的な状態と表面に現れる認知症症状は必ずしも一致しないという話を前に聞いたことがありますが、両親を見ていると確かにそうだと感じます。
それを分けるポイントは、1つには「楽観的」「悲観的」という物事に対する考え方にあるのではないかと思います。
「楽観的に前向きに考え楽に生きていく」術をどう身につけるか、これも大きな命題ですね。




