
ホームに見学に行くと、スタッフとほとんど会わないことがあります。リビングに10名近い入居者がいるのにスタッフは1人のみということも。これはどういうことなのでしょうか。
有料老人ホームの直接処遇職員(介護・看護)の人員体制は、要介護高齢者3人に対して1人以上(3:1以上)でなければなりません。特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)も同じです。
特養や老健は国で定められた介護保険施設で介護サービス利用料が同一金額なので、ほぼどこも3:1という最低基準で運営しています。
有料老人ホームの場合は、人員体制で差別化をはかることができ料金にも差があります。
さて、その3:1という数字ですが、これはあくまでも「常勤換算」であり、24時間365日3人に対して1人のスタッフがついている訳ではありません。
介護・看護職として1日8時間、週5日間勤務していれば「1人」と換算されます。パートで1日4時間勤務していたら0.5人として換算します。
人員体制3:1の具体的なイメージとしては、30~40人程度の施設で1番スタッフが多くいる日勤帯で4~5人、少ない夜勤帯で2人くらいとなります。
日勤帯で入浴介助に2人つき、排泄介助に1人つけば、見守りは残り1人。冒頭の状況はそういうことだったのです。
想像以上に少ないスタッフで高齢者の介護や見守りをしているのが実情であり、そのことを踏まえておく必要がありますね。




