要介護度の判定で重要な「主治医意見書」について

以前、要介護認定についてのブログを書きました(「 要介護認定の調査にはぜひ立ち会いましょう」)。

要介護認定の申請をする際、提出する申請書に「主治医」を書く欄があります。この「主治医」には、要介護度の判定で使用される「主治医意見書」を書いてもらうことになります。

この「主治医意見書」、あまり知られていませんが、実は要介護度を決める際、非常に重要な資料となるものなのです。ですから、誰に書いてもらうかはとても大切。できるだけこれまでに受診したことがあり、ご本人の心身の状態をよくわかってくれている医師に書いてもらいたいものです。

内容としては、いつその病気になり、どのような治療をしてどのような経過をたどっているかについて書く欄と、日常生活での身体的な自立度認知症の有無と症状などをチェックして示す欄があります。

一般的に主治医意見書は、脳梗塞、あるいは大腿骨骨折など、介護が必要になった最も大きな要因である病気やけがを診察し、よくその状態を把握している医師に書いてもらうものとされています。もし大きなけがや疾患がないようであれば、日ごろ高血圧など持病で受診しているかかりつけ医を「主治医」の欄に記入します。

その際、要介護認定の申請に合わせて一度受診し、「主治医意見書をお願いしたい」と挨拶をしておくことが大切です。かかりつけ医がない場合は、市区町村が指定する医師が書くことになりますが、やはり書いてもらう前に一度受診し、心身の状態を把握してもらう必要があります。

たとえば、大腿骨骨折で歩けなくなって要介護認定を申請したのであれば、骨折の治療をしてくれた外科や整形外科の医師に書いてもらうことになります。しかしここで悩ましいのは、身体疾患だけでなく、認知症もある方の場合です。

長年のかかりつけ医であれば、整形外科の医師であっても認知症の状態をある程度把握してくれていると思います。

しかし、大腿骨骨折など突発的な事故があって大きな病院で治療を受け、なじみのない医師が主治医となった場合、認知症の細かい症状については把握できていない場合がほとんどです。

ではどうすればいいでしょうか。

まず、入院している病院の看護師やソーシャルワーカーに相談してみるとよいと思います。認知症があること、それを主治医意見書に書いてほしいがどうしたらいいかを相談すると、アドバイスをもらえるかもしれません。

また、医師に主治医意見書をお願いしたいと挨拶をする際に、認知症があることと、その具体的な症状についてメモにして渡して伝えるという方法もあります。主治医意見書はインターネットで検索すると書式を見ることができますので、書いてもらう項目に合わせてメモを用意しておくとベターです。

とはいえ、それを主治医意見書に反映してくれるかどうかは、医師次第なのですが…。

確実な方法はありませんが、家族の側から伝えなければ、大きな病院の外科系の医師には個々の患者の認知症の症状を知りようがありません。そうなれば、主治医意見書はその医師の診療範囲のみから書かれる可能性が大。認知症の症状が顕著なのであれば、それが反映されていない主治医意見書では正しい要介護度の判定が難しくなります。

少しでも認知症の症状について考慮して記入してもらえるよう、やはり家族から伝えることは大切ではないかと思います。

K・M
介護相談員、社会福祉士。 介護を受けている方、介護されているご家族それぞれのお気持ちを大切にしながら、 困りごとの解決方法を一緒に考えていければと思います。
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