
利用者さんが少しでも自立して生活できるように、物忘れが進まないように、職員の仕事を少しお手伝いしてもらっているひと時のこと。
介護老人保健施設のそこは、中間施設と呼ばれ、終の棲家ではありません。3か月を目途にご自宅に帰ったり、ほかの施設に移られたりさまざまです。
なので、入居者さんの入れ替わりが激しく、その時の利用者さんのカラーで施設の雰囲気が若干変わったりします。
おひるごはんが終わり、おやつまでの2時間くらい。体調がすぐれない方や、疲れたなぁという方はお部屋で休んだりします。一方で、お元気な方にとってはとても退屈な時間。その施設では、おしぼりづくりを手伝ってもらっています。
上手な方から、苦手な方。教えられたことが理解できない方・・・。その方の認知の状態によって様々です。
それでも、周囲を見ながら、教えあっておしぼりを決められた形に巻きます。
「あんたへたくそやねー」「これは上手だわ」などなど言いながら。職員が教えられます。お裁縫を長いことされていた方は、手の動きが違います。
布を裁く手の動き、手際の良さが私たちとは全く違います。ご自身が満足の行く手伝いができたとき、とっても満足げに笑顔を見せてくれます。
ゆっくり流れるその時間に、彼らが生きてきた忙しい時間と成し遂げてきた影を見ることは職員に充実した時間をくれます。




