
自宅での暮らしが難しくなった親御さんの介護をどうしていくか。同居は難しい。通っての介護にも限界がある。そうなると、やはり施設への入所を検討せざるを得なくなるかもしれません。
一口に施設といっても、今は種類もいろいろあり、選択肢が増えています。
まず、「特別養護老人ホーム」、「老人保健施設」などの介護保険施設。これらはかかる費用は安いのですが、入所待機者が多く、特に特別養護老人ホームは3~5年待たなくてはならないのが実情です。
次に、有料老人ホーム。民間企業が運営しており、介護の質の面でも費用の面でも、かなり幅があります。費用の面では、入居金不要のホームや月額20~25万円程度で暮らせるホームも増えてきて、少し利用しやすくなってきました。
このほかにも、要介護度が低く、少しの見守りがあれば暮らせる方であれば、「サービス付き高齢者専用住宅」という選択肢もありますし、認知症の方であれば住んでいる市区町村にある「認知症グループホーム」に入所するのもよいと思います。
では、どういう視点で親御さんにふさわしい施設の種類を決めたらよいでしょうか。
まずは緊急度です。すぐにも入所が必要であれば、空きがあるのはどこかという視点で選ばざるを得ません。入所まで3年、5年かかる特別養護老人ホームは選択肢に入らないですよね。
次に費用です。月額に負担できる金額によって、選べる施設は変わってきます。20万円以上の負担が難しい場合は、介護保険施設を中心に探すことになると思います。
あとは入所される方の性格。人が好き、にぎやかなのが好きという方なら、100人規模の特別養護老人ホームなどが合うかもしれません。反対に、マイペースで暮らしたい、静かなところがいいという方なら小ぢんまりした有料老人ホームや、10人未満で共同生活をする認知症グループホーム、あるいはサービス付き高齢者専用住宅などのように自由度の高いところがよさそうです。
どの種類の施設を中心に探していくかを決めたら、その中でまたさらに親御さんに会う施設を絞り込んでいきます。その選び方はまた別の機会にご紹介しましょう。




