
これからの高齢者を取り巻く環境がどうなっていくのか、ある介護老人保健施設の看護部長さんがお話してくれました。
現在の医療現場では、積極的な医療が必要なくなると退院を迫られます。医療が必要という点において入院の必要性に変わりはないのですが、現在の保険制度の中では、診療報酬が得られなくなるという理由で、退院か転院を迫られるのです。
退院を迫られる患者さん達が自宅に帰れる可能性は少なく、次の病院や施設を探すことになります。
しかし、言われるままに病院で医療を受けた結果、施設では受け入れられない状態で退院ということもあり得ます。
胃瘻や経管栄養、人工肛門などがその例です。
その結果「転院」という選択をしますが、次の病院では、安全性を確保するためにベッド上で過ごすことを余儀なくされるということが生じます。
このような現状をみて、看護部長さんは、医療に特化できる「施設」が必要だと話しました。
胃瘻や経管栄養、人工肛門など、積極的な医療が必要な状況ではないが在宅での生活が難しい方が、ご自身の持っている力を大事にして生活できる場。それを介護施設が担っていく時代が来るとのことでした。
これができると、日本の介護が少し、幸せなものになるかもしれませんね。




