
頭が良くて頼りがいのあるご主人が認知症になってしまい、すべてご主人に頼りきっていた奥様が介護をするようになってからかれこれ6年。もう疲れてしまったとご相談を受けました。
今は奥様がいないと何もできなくなり、トイレまで後追いするそうです。
ショートステイやデイサービスも上手に使っているのですが、一緒にいるとつい暴言を吐いてしまうことも。
一方、奥様自身はずっと病気がちでご主人のお世話になりっぱなしだったので、恩返しの気持ちもあると言われてました。
奥様は今、自宅での介護に限界を感じ、民間のホームに入居させるかを悩んでいます。
夫や妻、あるいは父親や母親が変わっていく様をみるのは、とても辛いことと思います。なかなか受け入れることができず、でも、夫婦や親子として生まれてきた縁を大事に、がんばって世話をしたいという気持ちの葛藤で苦しむ方々もたくさん見てきました。
ここでのポイントは「自分だけでがんばらない」ということです。
ケアマネジャーや介護のプロの人たち、近所の方たちや民生委員の方など、たくさんの方を巻き込むことが大事です。
たとえば施設に入れることも、けっして介護を放棄することではなく、サポーターを増やしたとして捉えることができます。
特に男性は周囲に相談しないという傾向があり、介護心中などの悲劇につながるのが男性に多い理由となっています。ぜひSOSをあげてくださいね。
会社との仕事と両立するにも、たくさんの応援団をそろえることがポイントです。
職場でも、周りにそういう方がいたら、声をかけてあげてくださいね。愚痴をきいてあげるだけでも立派な応援団です。




