最近、人生会議の啓発ポスターをめぐり、賛否両論がありましたが、『人生会議』そのものは「死」と向き合い、「今」を生きるための準備として大変重要なこととして捉える人が多いようです。実際テーマが重々しいだけに、タイミングも慎重になりますね。
今回は、人生の最期をどう過ごしたいかを考える『もしバナゲーム』(“もしもの時の話し合い”の略)ついて紹介したいと思います。
このゲームの発祥はアメリカですが、ある医師が日本流に変化させて制作されたようです。 『自己の価値観を他者と共有する』ことを重視し医療現場や他職種連携の研修材料ともなっているようです。簡単にやり方(手順)としては
■カードは全部で36枚。ひとりでも複数でもプレイできます。複数の場合、各プレイヤーに5枚ずつ配布し、場に5枚のカードを表向きに置き、残りのカードは中央に積んでおき、積み札とします。
■自分の順番がきたら、手札の中から不要なカードを1枚、場に置かれたカードと交換していきますが、なければパスできます。
■全員がパスした時点で場のカードを流し、積み札から新たに5枚のカードを場に表向きに置きます。
■これを繰り返し、中央の積み札がなくなり、場のカードが流れたらゲーム終了。
■それぞれ手元にある5枚のカードから、特に大切と感じるカードを3枚選び、その理由を考え、他のプレイヤーに説明します。
娯楽ゲームとは違い、何が本当に大切かを自問自答し、本心の断捨離をその場で行うので、精神的に疲れるかもしれませんが、それは有意義な疲れになることでしょうか。
患者(利用者)の価値観は人間として十人十色なのに、その方々に関わる医療・福祉職は時として一方的な価値観で見てしまうかもしれません。プライベートにおいても関わる相手がどんな価値感を抱き、最期まで何を貫いていこうと思うのかを少しでも知る、また自分自身の在り方を気づかせてくれるきっかけになるのかなと思います。