介護保険とケアマネジャー
介護保険サービスを利用するには、ケアマネジャー(介護支援専門員)にケアプラン(介護支援計画書)作成の支援をしてもらいます。ケアプランは本人や家族が行うこともできますが、手続きが複雑なため、一般的にはケアマネジャーに依頼します。
介護認定がおり、要支援および要介護と認定されると、まずケアマネジャーを選びます。
ケアマネジャーは、その人の生活や体の状態について細かく話を聞き、今後どのような生活を送りたいか、そのためにどのようなサービスを活用すべきかなどのアドバイスを行います。
ケアプランは一度作成すれば終わりではなく、心身の状態の変化や利用する人の要望に応じて、プランを変更することができます。そのためケアマネジャーは月に1回は自宅を訪問し、状態に変化はないか、サービスに不都合はないかなどを聞き取り、よりよいケアプランにつなげていきます。
ケアマネジャーの多くは、看護師、社会福祉士、介護福祉士などの国家資格を持ち、また医療や介護の現場経験も豊富なため、高齢者の生活や心身の状態についての知識が豊富です。また、生活を支援する立場から、介護保険サービスだけでなく、ボランティアや食事の配達、福祉タクシーなど、福祉・介護全般のさまざまな情報をもっています。
そのため、快適で充実した介護生活を送れるかどうかは、よいケアマネジャーを探せるかどうかにかかっているといっても過言ではありません。ケアマネジャーは、基礎資格や経験、性別、年齢は多岐にわたるため、最初にケアマネジャーの事業所(居宅介護支援事業所)に連絡する場合は、「こんな人はいませんか」と要望を伝えることも大切です。
また、実際に担当してもらって、相性が合わなかったり、必要としていないサービスをすすめられるなど不都合があれば、いつでも担当を変わってもらったり、事業所を変更することも可能です。
ここでは、よいケアマネジャーの条件と、上手な付き合い方を紹介します。
よいケアマネジャーの条件
- 本人や家族の話をよく聞いてくれる
- 必要な情報を豊富にもっていて、いつでも呈示してくれる
- 介護を受ける本人の意向にもよく耳を傾ける
- 自治体の介護保険外サービスやNPO・ボランティア等の情報を持っている
- 自分が所属する事業所のサービスだけに偏らず、広くいろいろな事業所のサービスを組み合わせてくれる
- ケアプラン以外のことでも、不安なことや心配ごとの相談にのってくれる
- 施設やデイサービスの見学や、福祉用具導入時にも同行してくれる
ケアマネジャーとの上手な付き合い方
- ケアマネジャーには男性も多く、利用者やその家族が男性の場合、男性のほうが話しやすい場合があります。最初に担当を決めるときに相談しましょう。
- ケアマネジャーが自宅を訪問したら、聞かれたことだけでなく、普段から不安に思っていることや日常生活のささいな気づきなども、積極的に話しましょう。
- 同居家族だけでなく、離れて暮らす家族、周囲の支援者の状況についても話しておきましょう。
- 1割負担といえども、サービスを利用するにはお金がかかります。外に出向いて受けるサービスでは実費部分もかさみます。経済状態や使える限度額などについては恥ずかしがらずに相談しましょう。
- ケアマネジャーは通常、20人以上の高齢者を担当しているのが普通です。一人のためだけに仕事をしているわけではないことを理解し、忙しい時期などをあらかじめ把握しておくと、相談しやすくなるでしょう。
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