認知症初期の人の30%が新薬情報を希望―認知症の人と家族の会調査結果

認知症の人と家族の会」は、認知症初期の人とその家族を対象に行った調査の結果を公表した。調査は、2015年12月から2016年1月末にかけて行い、認知症の人181、介護家族194の回答を得た。認知症初期とは、認知症に関連する確定診断を受けている人、確定診断を受けていないが疑われる人、軽度認知障害の人で介護保険要介護度は未申請、非該当から要介護2までを目安とした。
調査の主な結果は以下の通り。

認知症初期の人は、適切な支援があれば自立した生活を送ることができる
回答した認知症の人のうち約70%の人はADLへの援助を必要としておらず、約10%人が1人暮らしをしていた。また、59歳以下に限れば 28%が仕事を続けていた。34%の人は介護保険サービスを利用していなかったが、使いたくても自分に合うサービスがないため、使えない人も含まれていると考えられる。また、ほとんどの人が何らかの形で外出をしており、散歩など週5日以上外出している人は60%弱で、そのうち1人で外出している人は25%だった。外出している人ほど家族以外の人と話した頻度が多く、 交流につながっていることもわかった。

・サービス利用が、家族の就労や認知症の一人暮らしを支えている
認知症初期の人のうち、要介護認定を受けている人に利用サービスについて訊ねたところ、要支援や要介護1・2の人の多くがサービスを利用していた。要介護1・2の 人のうち、通所介護・通所リハビリと、訪問介護訪問看護短期入所介護とを「複合利用」している人の割合が多かったのは、介護家族が働いている人で、 介護保険サービスの適切な利用が介護家族の就労を支えていることがわかった。

・ 家族の生活の安定には、認知症の人が気軽に通える場が必要
介護家族の30%は現在も働いていた。しかし、そのうち15%が「介護のために仕事 を続けられない」と回答し、32%が「家庭や仕事と介護の両立が困難」と答えていた。 また、全体の52%が健康状態に不安を抱いていた。介護そのものに対しても「認知症の人にどう対応すればよいのか分からない」(20%)、「介護や見守りを手伝ってくれる人がいない」(32%)と初期に抱えがちな困難を感じていた。

・薬の飲み忘れなどへの対処法とや新薬に関する情報が求められている
認知症初期の人の20%が薬の自己管理をしていた。服薬に関する最大の悩みは、本人、 家族とも「飲み忘れ」でともに約42%が選択した。また「飲んだことを忘れて多めに飲んでしまう」という悩みもあった。服薬管理を困難にしている理由の一つとして「薬の種類や数が多くて大変」という項目で、認知症の人も家族も10%以上の人が「はい」と答えていた。薬に関する悩みで「飲み忘れ」に次いで多かったのは「新薬や治験の情報が知りたい」というもので、認知症の人の30%、家族の22.8%が回答した。これらは、認知症の人も家族も治療によって認知症の進行を遅らせ、治すということに対する望みが大きいことの表れと考えられる。

同会では、これらの調査結果をもとに、認知症初期の人の暮らしを支える支援や認知症施策推進総合戦略提案(新オレンジプラン)などへの推進に向けた提言も行っている。

(イメージ)

認知症の人と家族の会 報告書
http://www.alzheimer.or.jp/wp-content/uploads/2012/05/2016kurashito-hitsuyounasien.pdf

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