厚生労働省は、1月27日、関係閣僚会合を開き、認知症施策を加速させるための国家戦略「新オレンジプラン」を取りまとめた。
※関連ニュース
オレンジプランを見直し、認知症の新たな国家戦略策定を指示―安倍首相
新プランでは、認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指すことを基本的な考えとする。
そのための柱を7つ打ち立て、以下のような新たな具体策を盛り込んだ。
①認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進
認知症への理解を深めるための全国的なキャンペーンを展開し、認知症の人が自らの言葉で語る姿を発信する。また認知症サポーターの人数の目標を現行プランから200万人引き上げて800万人とし、より幅広い場面で活動できるようにする。
②認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供
早期診断・早期対応はもとより、BPSD(認知症の行動・心理症状)や身体合併症等が見られても、医療機関や介護施設等で対応が固定化されないよう循環型の仕組みをつくる。そのために、歯科医師や薬剤師、看護職員の認知症対応力の向上や、新任介護職員向け研修の実施をはかる。
③若年性認知症施策の強化
ハンドブック配布や、支援関係者のネットワークの充実、居場所づくりや就労・社会参加等を支援する。
④認知症の人の介護者への支援
2018年度からすべての市町村に配置される認知症地域支援推進員等の企画により、地域の実情に応じて認知症カフェ等の設置を進める。
⑤認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進
生活を支えるソフト面と、生活しやすい環境を整えるハード面をあわせて整備していく。具体的には、使い勝手のよい商品開発の推進や家事・配食等の支援、住宅設備や公共交通の充実などだ。
また、社会参加の促進や若年性認知症の人の就労継続も支援する。
⑥認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進
認知症研究を推進するための仕組みを構築し、研究から得られたデータを活用して、地域全体で認知症予防に取り組むスキームを開発する。
⑦認知症の人やその家族の視点の重視
認知症の人が必要と感じていることについて実態調査を行い、生きがいづくりを支援する取組を推進する。
また、認知症の人やその家族の視点についての事例収拾や方法論の研究を行い、認知症施策の企画・立案や評価に反映させる。
◎厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/