2013年夏、3年ぶりの参議院議員選挙が行われる。今回の参院選では社会保障のテーマは低調だが、主要政党の介護保険制度関連の選挙公約は次のようになる。
論点は大小さまざまだが、国会における見直しの方向性に注目してもらいたい。
■自由民主党(政権公約)
・従事者の処遇改善や研修等の支援による介護サービスの質の向上や効率化・重点化。
・所要の財源確保を前提とした公費負担の引上げ等。
・保険料負担の増大を抑制しつつ、真に必要な介護サービスを確保。
■公明党(参議院選挙2013重点政策)
・医療、介護、生活支援サービスを、高齢者が住み慣れた地域で安心して受けることができるよう「地域包括ケアシステム」の構築を進めます。
・小規模多機能型居宅介護と訪問看護を組み合わせた複合型サービスを大幅に拡充。
・さらに、ICTの活用も含め24時間365日いつでも利用可能な在宅支援サービスを強化します。
・あわせて、必要な介護・看護人材の確保、処遇改善を進めます。
■民主党(参院選マニフェスト)
・かかりつけ医と訪問看護など医療と介護の連携の推進、サービス付高齢者住宅の確保、在宅サービスの充実などにより、介護が必要となっても住み慣れた地域で暮らせるように、地域包括ケアシステムの構築に取り組みます。
・認知症の人とその家族への支援を充実させます。
・介護従事者等の処遇を改善するため、介護従事者等人材確保法を制定します。
■みんなの党(アジェンダ2013)
・療養病床、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などの役割を再検討。
・在宅医療充実のため、一人からの訪問看護ステーションや単独型訪問リハビリステーションを認めるなど、規制緩和を推進し、他職種との連携を強化します。
■日本共産党(2013年参院選挙政策)
・国庫負担割合を10%引き上げ、負担軽減とサービス充実などを両立します。
・所得の少ない高齢者も安心して利用できる制度に改善します。
・要介護認定を廃止し、現場の専門家の判断で適正な介護を提供する制度へ。
・「介護とりあげ」をやめさせ、その人らしい生活を保障する介護制度へ。
・待機者解消へ5カ年計画で計画的な基盤整備の取り組みを進めます。
・医療と介護の連携をすすめます。療養病床の廃止・削減に反対します。
・介護職員の処遇改善をすすめ、介護従事者の確保をすすめます。
・自治体が高齢者福祉にたいする公的責任をはたせるようにします。
・認知症の人の介護・医療を保障します。
・介護保険のいっそうの改悪に反対します。
■社民党(2013選挙公約)
・特養ホームや小規模多機能施設の増設、在宅生活の支援強化で、高齢者の生活を支えます。
・「要支援」を介護保険の対象から外すことを阻止します。
・保険料・利用料金を見直し、安心して利用でき制度へ改革します。
・介護認定を簡素化します。
・労働条件の改善と人材育成に取り組みます。
・地域で暮らし続けられるよう総合的な高齢者福祉政策を充実します。
・介護費用の国庫負担を引き上げます。
・レスパイトケアを拡充します。
※維新の会は「介護」については言及がないので一覧に政党名を掲載していない。
自分たちの未来を安心して任せられる政党はあっただろうか。選ぶ権利は私たち国民にある。その責任の重さを感じながら一票を投じたいものだ。