社団法人信託協会は「後見制度支援信託」という仕組みを考案し、4月から実施すると発表した。
成年後見制度の利用は、高齢化の進展や介護保険制度の導入とともに急増し、2009年は約2万3,000件と、制度開始当初(2000年)の4倍超となっている。それに伴って不正事例が発生していることから、最高裁家庭局と同会が勉強会を開いて考案したという。
「後見制度支援信託」は、まずは、成年後見制度を受ける本人の金融財産を信託契約を結んで信託銀行に預ける。そこから日常生活に使う一定の費用が預貯金口座に振り込まれ、親族などの後見人が管理する。この口座の額だけでは不足する場合は、後見人が家裁に申し出て「指示書」を発行してもらい、信託銀行等に支払い請求することで口座に一時金が振り込まれるという仕組みだ。
この信託を利用することで本人の財産を安全・確実に保護するとともに、「後見人の負担を軽減することも可能になる」と同会は話している。
■課外授業
・知っておきたいシリーズ「成年後見制度」