入浴介助加算でケアマネと事業者間にトラブル―日本デイ協会調査

今年春の介護報酬改定に伴い、通所介護と通所リハビリで新設された「入浴介助加算(II)」について、算定要件を満たしているにもかかわらず、居宅介護支援事業所の方針で算定できない事業所が出ていることが、日本デイサービス協会の調査で明らかになった。

同加算をめぐっては、厚生労働省の疑義解釈(Q&A)の公表が4月26日と大幅に遅れた。会員の事業者から「デイサービスの現場で混乱が発生している」との情報が寄せられたことから、同協会は6月上旬、同加算の算定状況について緊急の実態調査を行った。

同協会会員116 事業所の5 月のサービス利用者のうち、同加算を算定していたのは4024人。このうち6割超を占める2615人が同加算(II)で、残る1409人は同加算(I)だった。

調査結果によると、同加算(II)の算定時、利用者や家族とのトラブルは少なかったが、8割以上の事業所が「ケアマネからなんらかの拒否や否定的意見があった」と回答し、同協会では「自立支援に向けた取り組みの理解などの啓蒙活動が必要という課題が見つかった」と指摘した。

また、同加算(I)を算定していた一部の利用者については、デイサービスの事業者とケアマネジャーとの間でトラブルが発生した結果、同加算(II)を取得できなかったことがわかった。

同加算(II)は、利用者の自宅での入浴の自立を図る観点から、個別の入浴計画に基づき、個浴など利用者の居宅の状況に近い環境で入浴介助を行うことなどが要件となっている。

回答した事業所からは、「会社全体の方針が決まってないため加算の取得は認めない」「入浴介助加算(II)がこれまでの入浴介助加算とどう違うか、私が理解していないから算定しない」「デイサービスに通所する意味とこの加算の算定は矛盾している」「自宅に風呂がないので、自立に取り組む必要がない」など、ケアマネから受けた否定的な発言が多く寄せられたという。

■「ケアマネとの分断、何らプラスに働かない」

調査結果を受け、同協会は16日付で声明を発表。居宅介護支援事業所の方針で同加算(II)を算定できない事例が確認されたことについては、「介護保険制度の目的から逸脱していることとして大きな問題と捉えている」との認識を示した。

また、同加算(II)については、「デイサービス利用者の入浴介助加算の算定率の高さから、より在宅生活での入浴ニーズの高さ及びより効果的な自立支援アプローチの取り組みをしている事業者を評価する目的で新設された」と説明し、「より自立支援に向けた評価となることは間違いなく、協会としてはしっかりと個別のケアを精査し、できる限り算定していくことを推奨している立場だ」と表明した。

その上で「介護保険制度のキーマンであるケアマネジャーとサービス事業者の分断は、要介護高齢者の在宅生活を守ることに何らプラスに働くことはない」と指摘し、早急に関係団体と連携を図るとともに、算定事例の共有などの啓蒙活動を行う意向を示した。

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