高齢者の食事

高齢者の栄養管理

高齢者にとって、「食べること」は日々の楽しみや生きがいをもたらす点からも、非常に重要です。一方で、食事には生命活動を維持し、生存するために必要な栄養素を摂取するという側面があります。しかし、要介護高齢者の多くはさまざまな持病や老化による身体機能の低下、なかでも摂食・嚥下機能の衰えによって十分に食べることができなくなる方も珍しくありません。

それまで食べられていた量が食べられなくなり、半年で10%以上体重が減少しているようなら、栄養不足(特にたんぱく質不足)が疑われ、さまざまな疾患にかかりやすくなります。そのような場合は一度、医師や看護師に相談しましょう。

高齢者の食事

高齢になり、噛む力や飲み込む力が低下すると、ムセやすくなったり食事に時間がかかるようになります。そこで、日々の食事のメニューは、食材を小さく切ったり、軟らかくなるまで火を通す、とろみをつけて飲み込みやすくするなど、食べやすいように工夫する必要があります。
高齢者が苦手とする食材には、以下のようなものがあります。食事を用意する際には、材料の取り扱いに気をつけましょう。

口の中に張りつきやすいもの……
のり、わかめ、もなかの皮、ウエハースなど、ヒラヒラして薄いもの
ノドに詰まりやすいもの……
餅や団子などの粘りが強いもの、おから、カステラ、クッキーなど水気のないパサパサしたもの
ムセやすいもの……
水や味噌汁などサラサラした液体や、きなこ、ゴマなどの粉状や微粒のもの

また、多くの高齢者は入れ歯を使用しています。かまぼこやこんにゃく、たこなど弾力性があり噛み切りにくいもの、ゴマ、ケシの実など入れ歯と歯茎の間にはさまりやすいものにも注意が必要です。

水分補給でいのちを守る

人は1日に2リットルの水分補給が必要だと言われます。しかし、高齢者はのどが渇いたことを認知しにくく、自ら進んで水分を摂取しない傾向にあります。そのため、熱中症になりやすい夏だけでなく、四季を通じて水分摂取が不足しがちです。

水分が不足し脱水症状になると、血液が濃縮するため脳梗塞や心筋梗塞の原因になったり、尿路感染症などの感染症も誘発します。また脱水が原因で食欲不振を引き起こし、栄養状態までも悪化させます。

高齢者には食事以外の水分を1日1~1.5リットルを目安に摂取するよう工夫しましょう。1度にたくさんではなく、1日に何回も分けて、小まめに摂取すれば負担にならずにすみます。また、お茶や水だけでなく、スポーツドリンクなど塩分・糖分が調整された飲み物もおすすめです。サラサラした水分がムセやすい方は、とろみをつけたり、ゼリーやかんてんなどに加工して食べていただくのもおすすめです。

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