家族信託とは
家族信託とは

家族信託とは「認知症による資産凍結」を防ぐ法的制度 です。
認知症になると意思能力を喪失したと判断されてしまい、いわゆる「資産凍結」状態になり
- 銀行預金を引き下ろせない、定期預金を解約できない(口座凍結)
- 自宅を売却できない、賃貸に出せない
- 株式など資産の整理、処分ができない
- 生前の相続対策ができない
など、文字通り資産が凍結されてしまいます。
このような資産凍結を防ぐために、新しい法的制度である「家族信託」が2016年頃から注目されてきました。
「認知症による資産凍結」はどの家族にも起こり得ることであり、対策しておくべき問題と言えるでしょう。
家族信託の仕組み
家族信託は、委託者(親)が所有する財産を受託者(子)へ託し、受託者(子)は受益者(親)のために、託された財産の管理・運用を行うという仕組みです。
一般的な家族信託においては
- 所有財産を家族に託す「委託者」は親
- その財産の管理・運用・処分を託される「受託者」は子
- そしてそれらの財産からの利益を受ける「受益者」が親(=委託者)
となるケースが多いです。
例えば、委託者(親)の金銭の管理を受託者(子)に託す場合、受託者(子)が委託者(親)の代わりに生活費・医療費・介護費などの金銭を預金口座から引き出し、受益者(親)のために支払いなどを行います。
また、賃貸アパートなどの収益不動産を信託する場合は、委託者(親)が所有していた収益不動産の管理・運用は受託者(子)が行い、入居者からの賃料収入など、信託財産から発生する利益は受益者(親)が受け取る形となります。
親が所有する不動産を売却する場合でも、売却に関する手続きは受託者(子)が行い、売却により得たお金は信託財産から発生した利益として受益者(親)が受け取ることが可能です。
このように、財産から発生する利益を受ける権利と、実際に管理・運用する権利を分けられることは、家族信託の大きなポイントです。
委託者(親)は認知症になったとしても、資産凍結を防ぐことができ、かつ受託者(子)に信託した信託財産から利益を受け続けることが可能です。
家族信託のメリット
1.認知症による資産凍結に備えられる
2.成年後見制度では難しい柔軟な財産管理が実現する
成年後見制度では、あくまでも本人の財産を維持・管理し、基本的には本人が生活を送るために必要な支出のみが認められます。
一方、家族信託では原則として、財産管理の方法を信託契約の中で自由に定められます。
信託契約の範囲内であれば、成年後見制度では難しい不動産の買換え・購入・株式投資などの積極的な資産運用や、生前贈与などの相続対策を受託者が行うことも可能です。
3.遺言としての機能も果たす
家族信託の契約書において、委託者の死亡後、誰が委託者の財産を引き継ぐかについて定められます。
また、配偶者や子などへの財産の一次相続だけでなく、その先の孫やひ孫など、複数世代にわたる相続について定められます。
4.不動産の共有によるリスクを回避できる
不動産を兄弟や親族など、複数人で共有している場合、共有者のうちの誰か1人が認知症などにより意思能力を欠いてしまうと、不動産の売却や大規模修繕などの意思決定ができなくなります。
家族信託では、不動産の管理・運用を担う権限を1人の「受託者」に設定できるので、共有者の誰か1人が認知症になっても、そのまま管理や運用を継続でき、不動産の凍結を防げます。
5.倒産隔離機能がある
倒産隔離機能とは、将来委託者(親)または受託者(子)が破産したり、信託財産に関係のない債務を負ったとしても、信託財産は差押えの対象にならないということです。(信託法23条、25条)
6.事業承継対策ができる
株式の信託ができるため、事業承継に関しても細かく定められます。












