医療と介護のより良い連携とは――セミナーリポート

NPO法人全国在宅医療推進協会は、10月16日、市民公開講座「在宅・施設における医療介護のより良い連携とは」を開催した。同協会は在宅医療に携る全国の医師・歯科医師を中心とし、在宅医療を正しく推進させるために、在宅医療の本質の追求、質の向上への努力を旨としており、活動の一環として在宅医療研修や一般対象の公開講座などを開催している。

市民公開講座としては、これまで訪問看護認知症をテーマに開催してきたが、今回は在宅診療専門のクリニック「新宿ヒロクリニック」院長の英 裕雄氏を講師に迎え、ケアマネジャーにとっても重要課題である「医療介護の連携」をテーマに講演を行った。

英氏は慶応大学商学部と千葉大学医学部を卒業後、1996年に曙橋内科クリニックを開設。2001年に新宿ヒロクリニックを開設した。現在、NPO全国在宅医療推進協会理事、NPO在宅かかりつけ医を育てる会理事などを兼任する、在宅医療の第一人者。

一般市民対象の講座だったため、現在、親世代を介護中の人や、自分に介護が必要になった場合に不安を覚える高齢者らの参加が多く、会場は満席。講演後の質疑応答では、自らの不安や現状についての質疑も相次いだ。

内閣府などの調査によると、「最期を迎える場所」として、約50%の人が「自宅」を望んでいるのに対して、現実¥は82%が病院で最期を迎えており、自宅でなくなる人はわずか12%にとどまっている。

終末期医療に関する調査等検討会報告書では、自宅療養が困難な理由として、「介護してくれる家族に負担がかかる」「症状が急変したときの対応に不安がある」を挙げている率が高い。なかには「往診してくれる医師がいない」「訪問看護の体制が整っていない」を挙げる声もあり、そのため2004年度の診療報酬改定において、在宅療養支援診療所に手厚い点数配分を行い、該当診療所が在宅医療における中心的役割を担うことと定められた。

介護を必要としている在宅療養者のうち、生活介護および身体介護は、介護保険で賄えるが、医療介護(吸引、胃ろう・床ずれの管理、点滴の管理、尿道カテーテル・在宅酸素の管理など)は、医療者にゆだねられており、介護福祉系スタッフは、医療スタッフとの連携が必須となる。

医療連携の際に、医療者が望む情報として、英氏は以下の4点を挙げた。
・どんな医療を欲しているのか?(終末期の在り方、入院のあり方など)
・どんな介護が在宅療養を脅かそうとするのか?(吸引? 胃ろう? 床ずれ処置?)
医療に対する満足度や、医療者に直接言っていない医療者への評価など
・キーパーソンは誰で、決定権や責任決定権がどの程度あるのか?(医療方針決定上のキーざーソンは誰か?)

またケアマネジャー介護事業者に必要な医療情報は、以下の5点とした。
介護者にとって安全な介護をするための情報(感染症情報や禁忌行為情報など)
・利用者をよくするための医療情報(食事の形態、リハビリ情報など)
介護者に負担をかけないための医療情報(医療介護の仕方など)
医療者が考えている療養方針(治療的対応なのか、緩和的対応なのか、リハビリ的対応なのか、など)
医療者に明確にされたキーパーソンの意向情報など

上記に挙げた項目が明確になって、はじめて医療連携が円滑に進むが、これらはあくまで家族介護者を中心に据えた場合の連携。英氏のクリニックの訪問エリアである新宿区などの都心部では、独居高齢者や高齢世帯(老老介護)が増えており、今後は家族介護者をあてにできない在宅療養の支援についても課題として提示した。

病院へ搬送されると人口呼吸器を取り付けられるなどの無理な延命が行われると考えている家族は多いが、最近は医療者側も、命をつなぐためだけに安易に人工呼吸器を使うことはせず、家族の意志を優先する傾向にあるという。独居などの場合は、本人の意志発動ができる段階での明確な希望を、在宅診療医に伝えておくこと、その意志に家族が同意していることが望ましいとした。

在宅での自立生活が不可能になる要素としては、移動能力の低下(身体介護の増大)→食事摂取機能の低下(医療介護の増大)→心肺機能の低下(緩和的対応の増大)を経て死に至るが、「最期まで在宅で」を希望する場合は、事前に「どの時点でのどんな医療は不要か」を決めておくとよいと語った。たとえば、食事が摂れなくなった場合、胃ろうの処置を行うか否かは在宅の大きな分かれ道で、胃ろうのメリット、デメリットを家族はよく考える必要がある、と語った。

◎全国在宅医療推進協会

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