高齢者の自己負担、介護も医療も「原則2割以上」に―財務省

財務省は19日、経済財政諮問会議の下に設けられた専門調査会のワーキンググループで、公的医療保険制度と公的介護保険制度の持続性などを確保するため、高齢者の自己負担の割合を見直し、原則2割以上とすることを提案した。

この日の会合は非公開だったが、内閣府は会議終了後、ホームページ上で財務省が提出した資料を公表した。資料の大半は、今月11日の財政制度等審議会(財政審、財務相の諮問機関)の分科会に提出したものと同じだが、「高齢化や人口減少の中でも持続可能な制度」にする視点から、医療介護に関する5つの提案が新たに盛り込まれた。

同省は介護保険の利用者負担に関して、「今後、介護費用が経済の伸びを超えて大幅に増加することが見込まれる」と指摘し、65歳未満(2号被保険者)の保険料負担の伸びの抑制に加え、65歳以上(1号被保険者)については、介護サービスを受けずに保険料のみを負担している人も存在するとして、サービス利用者との間の負担のバランスを確保する必要性を指摘した。

その上で、制度の持続可能性などの観点から、利用者負担を原則2割とするなど、段階的に負担割合を引き上げる必要性を示した=図=。


財務省の資料より抜粋
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また、原則1割負担となっている現行の後期高齢者医療制度については、75歳以上の人の数や医療費が毎年増える中、現役世代の保険料や税の負担が重くなっているとして、世代間の公平性などを確保するため、窓口負担を2割に引き上げるよう要求。既に75歳以上になっている人に関しても、「数年かけて段階的に2割負担に引き上げるべき」とした。

■「現役並み所得」の判定基準も見直しを

後期高齢者医療制度では、「現役並み」の所得がある人の窓口負担は、現役世代と同じ3割となっているが、財務省は、「現役並み」の判定基準の見直しにも言及した。

現行の仕組みでは、▽世帯内に年間の課税所得145万円以上の75歳以上の被保険者がいる▽世帯内の75歳以上の被保険者全員の年収の合計額が520万円以上(被保険者が一人の場合は年収383万円以上。ただし、他の医療保険制度に加入の70-74歳がいる場合は、合計の年収が520万円以上)―の両方の基準に該当しなければ、窓口負担は1割のままだ。

同省側は、「『現役並み』以上の所得があっても、『現役並み』とは評価されない仕組みとなっており、相当の収入があっても、後期高齢者であれば1割負担となる」として、判定基準を変更するよう求めた。

高齢者の負担能力、「預貯金などの考慮も」

さらに財務省は、「高齢者は現役と比べて、平均的に所得水準は低い一方で、貯蓄現在高は高い」「所得が低い高齢者の中にも、相当の金融資産を保有するケースもある」と指摘。高齢者の負担能力を判断する際、現行の仕組みでは、介護保険制度における補足給付を除き、預貯金などの金融資産は勘案されていないとして、手始めに、医療療養病床への入院時に支払う「入院時生活療養費」(光熱費など)の負担能力の判定時に適用すべきとした。

その上で、公的医療保険と公的介護保険の負担の在り方全般について、「マイナンバーを活用して、所得のみならず、金融資産状況も勘案して負担能力を判定するための具体的な制度設計について検討を進めていくべき」と主張した。

◎内閣府のホームページ

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