海外への日本文化発信の有効な媒体である日本映画の振興に、さまざまな観点から取り組んでいる文化庁は、東京国際映画祭期間中の10月23日(土)〜10月30日(金)まで「文化庁映画週間 -Here & There」を開催する。
今回、7回目となる「文化庁映画週間 -Here & There」は、優れた文化記録映画作品および永年にわたり日本映画を支えてこられた方々を顕彰する「文化庁映画賞贈呈式」を開催するとともに、受賞作品による「文化庁映画賞受賞記念上映会」を実施する。
上映会では「文化記録映画部門」大賞・優秀賞受賞3作品を上映、これらが作りだされた背景や制作秘話などを受賞ゲストとともに紹介、映画の持っている可能性について語り合う。
本年度の「文化記録映画部門」大賞は、介護保険制度10年を迎え、介護をテーマとした「ただいま それぞれの居場所」、優秀賞には教育問題を取り上げた「月あかりの下で 〜ある定時制高校の記憶〜」と、山を巡っての50年間の戦いを描いた「こつなぎ 山を巡る百年物語」が受賞した。
「ただいま それぞれの居場所」は、当サイトでも、すでに紹介しているが、今回は入場無料。未見の方は、この機会にぜひ足を運んでもらいたい。
■上映日 :10月24日(日)
■上映会場 シネマート六本木
東京都港区六本木3-8-15 (六本木駅より徒歩約2分)
■入場:無料(会場30分前より会場で整理券を配布)
■上映作品・上映時間:
・大賞「ただいま それぞれの居場所」(監督:大宮浩一)
会場 17:55、開演 18:15、上映時間 96分
【内容】介護保険制度導入から10年。様々な事情でその制度から漏れてしまう人々を対象に、自ら理想とする介護を実現させようと、施設・事業所を立ち上げた若者たちの姿など、高齢化社会における多様な介護の現状を伝えている。
・優秀賞「こつなぎ 山を巡る百年物語」(監督:中村一夫)
会場 14:10、開演 14:30、上映時間 120分
【内容】岩手県北部にある小繋山の「入会権」を巡り長期の裁判が行われた。50年前に現地と裁判闘争を取材した未公開の映像資料に、現在の現地の様子や、関わった人々の証言を通して、自然は誰のものかを問いかけるドキュメント。
・優秀賞「月あかりの下で 〜ある定時制高校の記憶〜」(監督:太田直子)
会場 10:40、開演 11:00、上映時間 115分
【内容】生徒の9割以上が小、中学校で不登校を経験している夜間定時制高校のあるクラス。その入学から卒業までとその後を取材し、家庭や社会の歪みに傷つく彼らひとりひとりに寄り添った視線で教育の現場を映し出す。TV放映を経ての映画化。