日清オイリオグループは、4月14日、「低栄養に関する実態調査」の結果を発表した。
調査は、要介護1~3の要介護者を在宅で介護し、自身が介護食を作っている家族100名を対象に、2月26日~29日にインターネットで実施した。
調査ではまず、要介護者100名の体重と身長を測ってもらい、BMI値を計算。すると40%が低栄養傾向を示すBMI20以下だった。
「低栄養」という言葉とその意味を知っているかを訊ねたところ、「言葉だけは知っていたが、その意味は知らなかった」が38%、「言葉さえ知らなかった」が36%だった。また、低栄養の意味を説明した後に「この先要介護者の低栄養について不安はあるか」との質問では、「あまりない」39%、「ない」13%と、52%が今後もあまり不安を感じていないと回答した。
要介護者の体重を測る頻度は、「1ヵ月に1度」が29%と最も多かった一方、「3ヵ月に1度」「半年に1度」「1年に1度」「まったく測ったことがない」があわせて26%で、4人に1人が3ヵ月以上体重を測っていないことがわかった。要介護者の咀嚼や嚥下の問題については、「噛むことと飲み込むこと両方に問題がある」が21%、「噛むことに問題がある」が18%、「飲み込むことに問題がある」が22%と、合計61%の人が咀嚼や嚥下に問題があることがわかった。
市販の介護食品を使用しているかを訊ねたところ、78人が「いいえ」と回答し、その理由として最も多かったのが「使う必要がない」44.9%で、次いで「価格が高い」24.4%、「種類が少ない」15.4%だった。
東京都健康長寿医療センター研究所の管理栄養士・成田美紀氏は、調査結果について「低栄養による身体機能の低下はゆるやかなため、家族が気づいた時には入院や介護度の悪化につながることがある」と指摘。家庭内での食事は比較対象がないため、量や栄養バランスが適正かどうかわかりにくく、「低栄養に対応した介護食への知識を持つことも必要」と述べている。
◎日清オイリオグループ ニュースリリース
http://www.nisshin-oillio.com/company/news/archive/2016/20160412_134410.shtml