朝食をとらない人は脳出血のリスクが高いことが、2月4日、国立がん研究センターの研究により、はじめて明らかになった。
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朝食を欠くと、肥満や高血圧、脂質異常症および糖尿病のリスクが上がることが、これまでも多くの研究で示されてきた。しかし、それが結果的に、脳卒中(脳梗塞や脳出血など)や虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)のリスクを高めるかどうかについては、ほとんど研究がされていなかった。
研究グループは、対象となった約8万人を、1週間あたりの朝食摂取回数ごとに「週に0〜2回」「週に3〜4回」「週に5〜6回」「毎日」の4つのグループに分類。その後の脳卒中および虚血性心疾患発症との関連を調べた。
その結果、朝食を毎日摂取するグループと比較して、朝食を週に0〜2回摂取するグループの発症リスクは、脳卒中全体で18%、脳出血で36%高くなることがわかった。ただし、くも膜下出血、脳梗塞および虚血性心疾患については、朝食回数との関連は見られなかったという。
脳出血のリスクが高まる原因として、研究グループは、高血圧の関与を指摘している。脳出血の最大のリスクは高血圧で、特に早朝の血圧上昇は特に危険だという。しかも朝食を欠くと、空腹によるストレスなどから血圧が上昇しやすいという報告もあるようだ。反対に、朝食をとっていると、血圧上昇は抑えられるという。そのため、朝の欠食が血圧を上昇させ、脳出血のリスクを高めている可能性があると研究グループは分析している。
◎国立がん研究センター リサーチニュース
http://epi.ncc.go.jp/jphc/773/3769.html