脳卒中を起こしたら、すぐにリハビリテーション(リハビリ)を開始することが、その後の運動機能の回復において極めて重要となる。ところが実は、リハビリと運動機能の回復との間にどのような因果関係があるのか、これまでよくわかっていなかった。
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そのようななか、大学共同利用機関である生理学研究所の伊佐正教授と、名古屋市立大学大学院医学系研究科の飛田秀樹教授らの共同研究チームは、1月14日、そのメカニズムの一端を明らかにしたと発表した。
研究チームは、脳出血により前肢が麻痺したラットに、集中的なリハビリを実施。すると、前肢の運動機能が著しく回復し、運動機能を司る大脳皮質の「運動野」の手の運動にあたる領域が拡大することを発見。同時に、「運動野」から、進化的に古い脳幹部に存在する「赤核」へと伸びる神経線維が増加していることも見出した。
つまり、リハビリの実施によって運動野と赤核の間の神経回路が強化され、これが運動機能の回復につながっているのだという。
この研究成果により、「より効果的なリハビリテーション法の開発につながる(伊佐教授)」として、リハビリテーション法開発における重要な一歩を踏み出した。
◎生理学研究所 プレスリリース
http://www.nips.ac.jp/release/2016/01/post_311.html