40代から60代の人は、65歳時に平均2,773万円の貯蓄があれば、老後生活は安心だと考えていることが、12月15日、明治安田生活福祉研究所の調べで明らかになった。ただし、65歳時にこの金額に届く人は41.8%で、届かない人は平均429.6万円不足するという。
また、「安心できる貯蓄額」は世帯構成によっても異なり、夫婦世帯(2,844万円)では単身世帯(2,539万円)よりも高い金額を想定。子どもがいない世帯(2,975万円)では子どもがいる世帯(2,694万円)よりも高く想定していた。
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現在の世帯貯蓄額(預貯金・有価証券・保険の積立金など)は、40代1,191万円、50代1,989万円、60代2,568万円で、年齢が上がるほど多い結果に。また、夫婦世帯(2,103万円)は単身世帯(1,533万円)より570万円多かった。老後の生活資金のための貯蓄・積立額は、ひと月あたり約5.9万円だった。
生活費全体の支出額は、ひと月あたり平均184,990円で、50代が198,046円で最も高く、次いで60代が184,083円。医療費はひと月あたり平均10,738円で、60代の11,523円が最も高かった。要介護者に対する介護費用(親の介護のための費用を含む)は、ひと月あたり平均59,923円だった。
介護サービスのうち、介護保険の対象とならない「横出しサービス」や支給限度基準額を超えた部分の「上乗せサービス」が全額自己負担となることを知っている人は、全体のわずか39.3%。年齢が高いほど認知度は高まるものの、60代でも48.4%と半数以下の認知度だった。
年金制度の充実を期待している人の割合は56.7%で、年代が低いほど期待度は低く、40代では「期待しない」が20%にのぼった。医療制度や介護保険制度の充実についても同様の傾向がみられ、社会保障制度に対してそれほど期待をしていないことがうかがわれる。
「晩年、重い病気になったり介護が必要になったりしても、できるだけ最期まで自宅で暮らしたい」という人の割合は全体で67.9%で、女性(62.4%)より男性(73.6%)のほうが自宅志向が高いようだ。
調査は全国の40歳から69歳の男女10,351人を対象に行われた。
◎明治安田生活福祉研究所 セカンドライフの生活設計に関する調査
http://www.myilw.co.jp/life/enquete/secondlife_2.html