福祉用具貸与の品目であるハンドル形電動車椅子の使用に伴う死亡・重傷事故が、2008年から2014年の7年間で51件発生していた。10月23日、消費者安全調査委員会が発表した「事故等原因調査報告書(経過報告)」で明らかになった。
重大事故対策として2009年にハンドル形電動車椅子に日本工業規格が制定されて以降、死亡・重傷事故は減少傾向にあるものの、高齢者を中心に継続して発生。2012年以降に発生した15件の死亡・重傷事故の当事者は、60歳代が3名、70歳代が4名、80歳以上が8名だった。死亡事故には、「95歳の被災者が、ハンドル形電動車椅子とともに道路脇の橋の架け替え工事のための穴(深さ4m)に転落した状態で発見された(2014年)」などの例がある。
今後、同委員会では、現地調査(15件中12件調査済み)のほか、ハンドル形電動車椅子の使用者を対象にアンケートを行い、ヒヤリハットの内容を反映した使用実態調査や年代別の使用実態を調べ、加齢と事故との関連性についても分析を行うとしている。
◎ハンドル形電動車椅子を使用中の事故に係る事故等原因調査について(経過報告)
http://www.caa.go.jp/csic/action/pdf/9_keika_honbun.pdf