消費者庁は6月19日、2015年版『消費者白書』を公表した。
それによると、2014年度の65歳以上の高齢者に関する消費生活相談は26.1万件で、2013年度の27.1万件をやや下回ったものの、依然として高い水準であったことがわかった。
比較できる2009年と比べると、特に85歳以上の相談の増加が著しく、2014年は2009年から86.7%増えた。
高齢者に関する相談で多い商品・サービスは、2013年度は送り付け商法の流行により「健康食品」に関するものが多かったが、2014年度は「アダルト情報サイト」や「光ファイバー」といったインターネット関連の相談が増えたのが特徴であった。
また、高齢者に関する消費生活相談が増えるなか、認知症のある高齢者に関する相談も増加傾向にある。その場合は、本人以外から寄せられることが多く、また商品の購入形態が「訪問販売」の割合が大きいことが特徴だ。「訪問販売」には、新聞や修理サービス、屋根工事などが多いようである。
高齢者は、本人が十分に判断できない状態にもかかわらず、勧められるままに契約したり、買い物や借金を重ねてしまうケースがみられる。周囲の見守り強化や成年後見制度の活用が、トラブルの未然防止や被害の拡大防止に重要だ。