国立循環器病研究センターは5月26日、軽度認知障害(MCI)に対する抗血小板薬「シロスタゾール」の効果を調べる治験を実施すると発表し、ホームページを立ち上げた。
シロスタゾールは、血液が固まるのを防ぐ働きがあり、主に脳梗塞の再発予防に使用される。
動物実験では、血管拡張や脳血流の改善が促され、アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβの沈着を抑制する効果があることがわかっている。同様の効果がヒトにも期待できるとして、全国11施設で治験を実施することとなった。
同薬はすでに他の病気で承認されているため、新薬と比較すると安全性はある程度担保されている。頭痛や出血の副作用はあるが、本治験では脳梗塞の再発抑制で使用される半分の量で行われるため、副作用は少ないとみられる。
この治験でMCIへの有効性が明らかになれば、MCI患者にも保険診療で使えるようになり、アルツハイマー型認知症への進行を予防できるようになる可能性がある。
◎国立循環器病研究センター
http://www.ncvc.go.jp/hospital/