東京都は昨年12月、「世界一の都市・東京」の実現を目指す「東京都長期ビジョン」を策定した。
高齢者対策としては、おおむね10年後までの政策目標として「高齢者が地域で安心して生活できる基盤の整備」と「認知症の人が状態に応じた支援を受けられる体制の整備」を掲げている。
具体的には、2025年度末までに次のような施設やすまいを確保する。
■特別養護老人ホームの整備・・・定員6万人分(2013年度末は41,340人分)
■介護老人保健施設の整備・・・定員3万人分(2013年度末は20,057人分)
■認知症高齢者グループホームの整備・・・定員2万人分(2013年度末は8,582人分)
■サービス付き高齢者向け住宅等の整備・・・2万8千戸(2013年度末は14,181戸)
また2015年度中には、認知症疾患医療センターの地域拠点型を12施設、地域連携型を41施設設置する。
東京都の高齢者人口は、2010年の約264万人から2025年には約327万人に増加。認知症高齢者は、2013年の約38万人から2025年には約60万人に増加すると推計される。
都は、地域包括ケアシステムの構築のため、在宅療養を推進する市区町村の主体的な取組を支援するほか、病院、診療所や訪問看護ステーションの連携強化等を進め、地域で生活する高齢者の療養生活の向上を図る。
また、2015年度の介護保険制度改正による介護予防給付の地域支援事業への移行について、円滑な移行に取組む市区町村を支援していく。
さらに、都市部の限られた土地を有効活用するため、複数の市区町村が共同で特別養護老人ホームを利用できる仕組みも構築していく予定だ。
低所得者のすまい等に関しても、居住支援協議会等を活用し、すまいの確保と見守り等の生活支援の提供を一体的に行う市区町村の取組を支援するとともに、都市型軽費老人ホームの整備を推進していくつもりだ。
同時に、介護人材の確保・育成・定着にも力を入れていく。
合同就職説明会や様々な相談支援などで介護事業者を支援したり、職場体験やトライアル雇用等で人材を安定的に確保。また「介護キャリア段位制度」を活用し、職責に応じた処遇を実現するキャリアパスの導入に取組む事業所を支援するなどし、人材の育成・定着を図っていく。
◎東京都長期ビジョン
http://www.seisakukikaku.metro.tokyo.jp/tokyo_vision/vision_index/index.html