花王のヘルスケア食品研究所は、天使大学の研究グループおよび北海道大学 斉藤昌之名誉教授らとの研究により、茶カテキンが、褐色脂肪組織の活性を介して、肥満を予防する可能性があることを明らかにした。
褐色脂肪組織とは脂肪を燃焼し消費する機能を有する組織で、かつては幼児のみが有するとされていたが、斉藤教授らの研究により成人にも存在することが明らかにされていた。また褐色脂肪組織は、体温制御に加え、肥満の予防に寄与していることが報告され、現代人の太りやすさ・太りにくさに関与する要因の一つとして注目されていた。
今回の研究では、褐色脂肪組織の活性が低く、低エネルギー消費となっている成人に対し、茶カテキンを5週間継続摂取した場合の効果が検証された。その結果、褐色脂肪組織の活性が顕著に高まり、脂肪の燃焼量が有意に増強することが確認された。これらの結果より、日常生活における茶カテキンの継続摂取が、太りやすい体質の人の肥満予防の一助につながる可能性が示唆された。
肥満は、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病の要因となる。茶カテキンにより肥満を予防するできれば、これらの発症抑制にも寄与するかもしれない。
◎花王
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