厚生労働省は、8月1日、「健康意識に関する調査」の結果を公表した。
同調査は、健康に関する意識の傾向を捉え、2014年版厚生労働白書の作成の資料を得ることを目的として実施したもの。
調査は、20代~80代までを対象に行い、健康と幸福感との関係、健康を維持するための生活習慣などについて訊ねた。
【調査の概要】
■調査の期間:2014年2月21日~2月26日
■回答者の数:全国5,000人
■回答者の性別:男性2,373人、女性2,627人
■回答者の年齢:20代329人、30代1,061人、40代1,084人、50代769人、60代1,198人、70代511人、80代48人
調査の結果は以下のとおり。
■幸福感の大きな要素は健康の状況
現在の幸福感を10点(とても幸せ)から0点(とても不幸)で点数化したところ、「7点」19.9%が最も多く、次いで「8点」19.0%などとなっており、平均は6.38点だった。
幸福感を判断する際に重視した事項としては「健康状況」54.6%が最も多く、次いで「家計の状況(所得・消費)」47.2%、「家族関係」46.8%となった。
普段の健康感については「健康な方だと思う」66.4%が最も多く、次いで「あまり健康ではない」21.7%などとなっていた。健康感を判断する際に重視した事項としては「病気がないこと」63.8%が最も多く、次いで「美味しく飲食できること」40.6%、「身体が丈夫なこと」40.3%となった。
自身の健康についての不安が「ある」と回答した者が61.1%で、不安の内容としては「体力が衰えてきた」49.6%が最も多く、次いで「持病がある」39.6%、「ストレスが溜まる・精神的に疲れる」36.3%となった。
また、自身の体型については「ちょうどよい」46.3%が最も多く、「太り気味である」40.8%、「痩せ気味である」12.9%となっていた。
自身の健康にとって最もリスクとなることとしては「生活習慣病を引き起こす生活習慣」41.9%が最も多く、次いで「加齢や遺伝」17.3%、「災害や交通事故といった不慮の事故」11.7%となった。
■健康情報で最も信頼しているのはかかりつけ医も、2割にすぎず
健康に関する情報源の信用度と接触度についてみると、「非常に信用している」との回答が最も多いのは「かかりつけの医師」20.4%であり、次いで「大学や病院、診療所」12.2%などとなっていた。一方で、「いつも接している」との回答が最も多いのは「インターネット」32.5%であり、次いで「テレビ・ラジオ」31.9%、「新聞」23.7%となった。
健康に関して必要な情報としては「からだについての情報」50.9%が最も多く、次いで「医療・医療施設についての情報」46.7%、「食事・栄養についての情報」35.7%となった。
回答者が勤務する企業・団体における社員の健康づくりへの取り組み状況としては「あまり取り組んでいない」34.3%が最も多く、次いで「どちらかというと取り組んでいる」31.5%だった。回答者が居住する自治体における住民の健康づくりへの取り組み状況としてはどちらかというと取り組んでいる」34.0%が最も多く、次いで「あまり取り組んでいない」32.2%だった。
■健康をキープするために重視するのは食事と栄養
健康食品やドリンク剤、運動・フィットネスのための施設利用料や運動・健康器具の購入費など1カ月間に自身の健康のための出費してもよいと考える金額(医療費・介護費・薬剤費はのぞく)、実際の出費額についてみると、出費してもよいと考える金額は平均3,908円で、実際の出費額は平均3,049円だった。
普段からの健康意識については「健康のために生活習慣には気をつけるようにしている」36.7%が最も多く、次いで「病気にならないよう気をつけているが、特に何かをやっているわけではない」32.5%だった。
さらに、「健康のために積極的にやっていることや、特に注意を払っていることがある」、または「健康のために生活習慣には気をつけるようにしている」と回答のあった者に具体的に健康に気をつけていることを訊ねたところ、「食事・栄養に気を配っている」69.2%が最も多く、次いで「過労に注意し、睡眠、休養を十分とるよう心がけている」55.6%だった。
また、健康に気をつけるようになったきっかけとしては「自分が病気をしたので」27.2%が最も多く、次いで「以前からやっていたので特にない」23.0%、「家族や友人が病気をしたので」15.4%となった。
一方、「病気にならないよう気をつけているが、特に何かをやっているわけではない」、または「特に意識しておらず、具体的には何も行っていない」と回答した者にその理由を尋ねところ、「特に理由はない」31.0%が最も多く、次いで「何をどのようにやったらよいかわからない」19.8%、「忙しくて時間がない」16.2%だった。
回答者全員に対して、今後健康のために気をつけたいことを尋ねたところ「食事・栄養に気を配りたい」56.5%が最も多く、次いで「過労に注意し、睡眠、休養を十分とるよう心がけたい」55.5%、「運動やスポーツをするようにしたい」51.4%だった。
■健康習慣で気をつけているのは食生活、ついで睡眠・休養
自身の健康のために食生活に「気をつけていると思う」と回答した者は68.8%であり、具体的に気をつけていることとしては「朝昼晩と1日3回規則正しく食べている」66.7%が最も多く、次いで「栄養のバランスを考えて、色々な食品をとる」51.6%、「ホウレン草、ニンジンなど緑や黄色の濃い野菜を食べている」47.5%だった。
いわゆる健康食品やドリンク剤の健康に対する影響への考え方についてみると「ある程度健康によいと思う」57.5%が最も多く、次いで「あまり健康によいとは思わない」32.2%となった。一方で、実際の飲食の程度については「何度か試したことはある」38.9%が最も多く、次いで「時々飲食している」30.0%などとなっていた。
睡眠や休養については「まあとれている」52.0%が最も多く、次いで「あまりとれていない」27.4%となった。
不安や悩みについては「ときどき感じる」54.2%が最も多く、次いで「あまり感じない」25.7%となった。
さらに、不安や悩みを「いつも感じる」、または「ときどき感じる」と回答した者にその具体的な内容を訊ねたところ、「自分の健康・病気」44.5%が最も多く、次いで「収入・家計・借金」41.9%、「生きがい・将来のこと」41.2%などとなった。また、不安や悩みがあるときの対処としては「のんびりする時間をとる」33.9%が最も多く、次いで「趣味・スポーツに打ち込む」26.4%、「寝てしまう」26.0%となった。不安や悩みの相談相手としては「配偶者」31.3%が最も多く、次いで「相談する相手はいない」27.9%、「友人・知人」20.9%などとなった。
休暇・休日の過ごし方の希望としては「ドライブや小旅行に出かける」45.1%が最も多く、次いで「運動・スポーツ・散歩などをする」33.7%、「何もせずにゴロ寝で過ごす」24.7%となった。一方、実際の休暇・休日の過ごし方としては「インターネットをして過ごす」41.5%が最も多く、次いで「テレビを見たり、ラジオを聴いたりして過ごす」31.4%、「何もせずにゴロ寝で過ごす」25.0%となった。
また、死生観についても質問し、何歳まで生きたいかを訊ねたところ平均で79.6歳、実際に生きられると思う年齢は平均77.6歳だった。
◎厚生労働省
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