日本生命保険相互会社は、11月8日、介護に関するアンケート調査の結果を発表した。
アンケートは、同社HPの「ご契約者さま専用サービス」にて実施したもので、回答者の年代は20代~70代以上と幅広いこともあってか、公的介護保険の自己負担の割合など基本的な知識については4割以下の正答率だった。一方、将来の自身の介護については9割以上が不安に感じていると答えており、若い世代も介護について不安を持っていることがわかった。
【調査の概要】
■調査対象:「ずっともっとサービス」のサンクスマイルメニューアンケートへの訪問者
■回答者数:10,129名(男性5.676名、女性4,453名)
■調査期間:2013年10月1日~27日
■実施方法:インターネット(PC・携帯電話モバイルサイト)による回答
■公的介護保険についての基本知識の正答率は4割以下
「2008年より11月11日は『介護の日』となっているのを知っているか」の質問では、約9割が「知らない」と回答。「知っている」と答えた人の割合は年代が高くなるほど多くなり、60代で約15%、70代以降で20%を超えた。
公的介護保険制度についての質問では、「公的介護保険制度の対象者(被保険者)は、何歳以上か知っているか」に正解の「40歳以上」と答えたのは全体の37.2%で、女性は39.8%、男性は35.1%。世代別では40代の41.3%がもっとも多かった。
「要介護度認定の『要介護』は何段階あるか知っているか」では、正解の「要介護1~5」と回答したのは全体の38.7%、女性は43.3%、男性35.1%。この質問は年代が高いほど正解率が高く、70代以上は54.6%、60代は53.8%が正解だった。
「公的介護保険制度で介護サービスを利用する場合、支給限度基準額の何割が自己負担となるか知っているか」では、正解の「1割」と回答したのは全体の33.1%、女性は37.9%、男性29.4%。この質問も年代が高いほど正解率が高く、70代以上は54.0%、60代は48.7%が正解だった。
■9割以上が将来の介護に不安感も、約8割が備えができていないと回答
「これまでに家族などの介護を経験しことはあるか」との質問では、これまでに介護の経験があるのは全体の15.2%。50代以上で経験者が増え、男女別では女性ほど多く、70代以上の女性では37.9%の人に介護経験があった。
「将来の自分について、介護が必要な状態にならないか不安はあるか」との質問では、「多いに不安」「不安」をあわせて48.1%、「少し不安」の44.0%を加えると9割以上が不安を感じていることがわかった。
「自分が介護が必要な状態になった場合の備えを進めているか」との質問では、「何もしていない」と答えたのが40.5%で、「不十分」「まだまだ不十分」を加えると約8割が介護の備えができていないと認識していることがわかった。「十分進めている」「進めている」と回答したのは60代では10.1%、70代以上でも16.9%にすぎなかった。
■公的介護保険の見直しで、4割強が民間介護保険を加入・増額の意向
前の質問で「十分に進めている」「進めている」「まあまあ進めている」と答えた人に、「具体的にどのような備えを進めているか」を訊ねたところ(複数回答)、もっとも多かったのが預貯金で55.7%。次いで民間の介護保険29.5%、株や投資信託など金融商品の購入が14.9%だった。年代別では、20-40代が民間の介護保険、50代以上では預貯金が多かった。
「(自身が介護をする可能性のある)両親などは、介護が必要になった場合の経済的な備えを進めていると思うか」との質問では、「何もしていない」「不十分」「まだまだ不十分」と回答した人が52%だった。また、両親の準備状況について「知らない」と回答したのは18.3%だった。
「現在、公的介護保険制度の見直しが進められている。今後、介護サービスの自己負担が引き上げられた場合などに備えて、民間の介護保険商品への加入や保障の増額を検討するか」との質問では、「加入・増額する」「加入・増額を前向きに検討する」が43.9%、「介護保険以外で準備する」は21.4%だった。
◎日本生命保険相互会社
http://www.nissay.co.jp/