脳卒中などの後遺症のリハビリに、電気刺激を取り入れた最先端のリハビリ法FES(装具型表面電極刺激装置)があるのをご存じだろうか。ここでは、臨床の現場で導入されているフランスベッド社のリリースを基に、FESについて紹介する。
脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患の患者数が全国で約172万人(2011年 厚生労働省調べ)と言われ、要介護となる主な要因となっている。また、全国で脊髄損傷者は、毎年5,000人程度のペースで増え続け、総患者数は約10万人(社団法人全国脊髄損傷者連合会調べ)にも達すると言われ、多くの人が脳梗塞や脊髄損傷の後遺症により、手足のまひに悩まされている。
■リハビリで主に用いられている「運動療法」と「物理療法」
関節の曲げ伸ばしを行うことで可動範囲を広げたり、筋力を回復させる「運動療法」と、電気や温熱を発生する医療用機械を用いて痛みを軽減したり、筋力の回復促進を図る「物理療法」が、一般的に行われているリハビリだ。また、「物理療法」の一種である「電気療法」は、江戸時代の発明家として知られる平賀源内により復元された「エレキテル」が医療器具として利用されたという記録もあり、日本でも古くから行われていた。
■手足のまひの回復を図る 最先端リハビリ法「機能的電気刺激」
これまでの「電気療法」は、痛みやしびれの緩和を図るものとして主に治療用に用いられていたが、昨今、新たなリハビリ法として「FES(装具型表面電極刺激装置)」が注目されている。まひした手足の筋肉に、コンピュータ制御された電気刺激を与え、筋肉の伸筋や屈筋などをさせることで、失われた機能の再建を図るものだ。
■「FES」の利点と見込める効果
一般的なリハビリ機器は、適応する障害が限定されるが、「FES」は脳卒中や脊髄損傷で手足がまひした大多数の人が利用でき、レンタルによる在宅リハビリにも活用されている。また、発症から年月が経過し、回復が困難とされている「慢性期」の人にも、運動の改善が見られた例があるという。
■「FES」導入医療機関数:全国60カ所以上の病院にて導入
■国内の代表的な「FES」医療機器
・フランスベッド:「NESS H200TM」(上肢用)、「NESS L300TM」(下肢用)
・オージー技研:「アイビスプラス」「アイビス」(上肢用)
・帝人ファーマ:「ウォークエイド」(下肢用)
◎フランスベッド
https://www.francebed.co.jp/brand_site/bioness/index.html