<厚労省>仕事と介護の両立に関する企業アンケート調査を発表

厚生労働省は、7月9日、「仕事と介護の両立に関する企業アンケート調査」を発表した。

同調査は、介護に焦点をあて、仕事と介護の両立支援制度の導入や運用の実態などの効果や課題を把握することを目的に実施したもの。
調査対象は、従業員101人以上の5,100社(農林水産業、鉱業、公務を除く)で、2012年9月~10月に実施した。回答数は967件(回収率19.0%)。

【回答企業の概要】
• 回答企業の業種は「製造業」が23.7%で最も割合が高く、次いで「医療福祉」が15.1%、「卸売業、小売業」が13.1%、「その他サービス業」が12.5%。

• 正社員数は、『300人以下』が42.2%、『301~1,000人以下』が32.9%、『1,001人以上』が24.9%を占めている。

• 正社員に占める40歳以上の割合をみると、男性で比率の高い企業が多く、40歳以上が50%以上を占めている企業が48.0%(女性は23.3%)。男性正社員で介護を担う可能性のある年代の比率が高い企業が多い。

■両立支援への取り組みや把握は、担当部署か直属の上司

• 仕事と介護の両立支援の取り組みに対し、経営トップが積極的に関わっている企業は24.8%で、その約半数は推進担当部署に任せており、トップダウンによる取り組みの推進が行われているところは少ない。

介護を抱える従業員がいるかどうかの実態把握を行っている企業は半数程度に留まっている。その場合は直属の上司による面談が多く、介護ニーズの把握は相談があった人について実施しているところが75.8%でもっとも多い。

・従業員(正社員)規模別にみると、300人以下は「特に対応していない」、1,001人以上は「専門の組織はないが、他の業務と兼務の担当者が対応している」の割合が高く、いずれも過半数を越えている。

■仕事と介護の両立支援の状況

• 仕事と介護の両立支援を目的に、現在取り組んでいることをみると、「介護休業制度介護休暇等に関する法定の制度を整える(就業規則への明記など)」が87.2%で最も割合が高い。

介護休業制度の整備状況について、「法定を上回る内容である」としている企業は22.0%と約2割で、その内容は「取得期間」が93.0%となっている。

介護休暇については、「法定を上回る内容である」としている企業は11.7%と約1割で、その内容は「取得単位」が49.6%で最も割合が高く、次いで「取得日数」が41.6%、「賃金補填」が31.9%となっている。

介護休業制度介護休暇の利用状況(正社員)について、平成23年4月1日~平成24年3月31日の期間でみると、いずれも「利用者はいない」が約6割を占めている(介護休業制度60.6%、介護休暇61.0%)。

■従業員規模が大きいほど、介護休業制度介護休暇の利用者がいる傾向が強い

• 従業員(正社員)規模別にみると、介護休業制度介護休暇のいずれも従業員規模が大きいほど、男女いずれかの利用者のいる割合が高い傾向に。従業員が「1,001人以上」が介護休業制度は46.5%、介護休暇は38.6%で、利用者がいると回答している一方、「300人以下」は、それぞれ9.8%、8.4%、「301~1,000人」は、それぞれ22.1%、15.7%に留まっている。

• その他の、仕事と介護を両立するための柔軟な働き方を支援するための制度等で、正社員について導入しているものをみると、「1日の所定労動時間を短縮する制度」が69.0%で最も割合が高く、次いで「半日単位、時間単位等の休暇制度」が46.0%、「始業・終業時間の繰上げ・繰下げ」が45.7%となっている。
一方、「週または月の所定労働時間を短縮する制度」「フレックスタイム制度」「休日勤務の免除」「失効年次有給休暇の積立制度の介護事由利用」は2割前後、それ以外の制度は1割前後に留まっている。

■14.0%の企業が、介護との両立支援制度は昇進・昇格に影響すると回答

• 管理職が仕事と介護との両立支援制度を利用した場合、長期的な昇進・昇格に影響するかをみると、「影響する」「やや影響する」と回答した『影響する』が14.0%、「あまり影響しない」「影響しない」と回答した『影響しない』が50.9%、「わからない」が33.6%となっている。
従業員(正社員)規模別にみると、他と比較して、「1,001人以上」は「あまり影響しない+影響しない」(63.1%)、「300人以下」「301~1,000人」は「わからない」(39.0%、34.6%)、の割合が高い。

介護事由での制度利用の有無別にみると、従業員(正社員)規模「500人以下」「501人以上」のいずれも、介護事由で制度を利用した従業員のいる方が、「あまり影響しない+影響しない」と回答した割合が高い。

■異動や転勤は「仕事と介護を両立できる範囲内」が約46%

• 仕事と介護の両立を支援するために勤務場所への配慮(勤務地の変更を伴う異動(転勤)の免除等)を行っているかをみると、「仕事と介護を両立できる範囲内での異動・転勤とするなど、異動・転勤先を配慮している」が46.2%で最も割合が高い。

• 従業員(正社員)規模別にみると、他と比較して「1,001人以上」は、「仕事と介護を両立できる範囲内での異動・転勤とするなど、異動・転勤先を配慮している」(65.1%)、「300人以下」は、「事業所等が限られており、異動によって勤務場所が変わることはない」(44.9%)の割合が高い。

• 従業員(正社員)が介護に関する両立支援制度を円滑に利用して、仕事と介護が両立できるように支援するために取り組んでいることをみると、「制度利用開始時に、職場の上長や人事担当者と面談を実施」が32.6%で最も割合が高く、次いで「職場の管理職などが、日頃から介護だけでなく部下の個人的な悩みなどを聞くよう周知」が31.7%となっている一方、「特に行っていない」も30.1%となっている。

• 仕事と介護との両立支援を推進する上で、現在、課題となっていることをみると、「従業員の年齢構成から、今後、介護を行う従業員が増えることが懸念される」が53.3%で最も割合が高く、次いで「仕事と介護の両立で悩んでいる従業員がいても課題が顕在化してこない」が43.8%となっている。

• 正社員に占める40歳以上の割合別にみると、他と比較して、正社員の年齢層が高いところは「従業員の年齢構成から、今後、介護を行う従業員が増えることが懸念される」、低いところは「仕事と介護の両立について、従業員ニーズが多様で、制度で対応しきれない」「介護に直面していない年齢層が多いため、今後の介護ニーズの予想がつかない」の割合が高い。

■仕事と介護を両立するための制度利用や両立を支援する上での課題

• 職場における両立などに関する意識の浸透度をみると、「①恒常的な残業時間削減の必要性」「④上司・部下のコミュニケーションの円滑化、職場での相互理解」は、「浸透している」「まあ浸透している」を合わせた『浸透している』と回答した割合が比較的高く、7割を越えている。一方、「⑤両立支援制度に関する理解」は36.0%と、他と比較して割合が低い。

• 職場における両立に関する意識について、5つの項目のすべてが浸透していると回答したところは、他と比較して、介護休業制度介護休暇とも、利用者のいる割合が高くなっている。

■働き方以外の介護に関する情報提供や経済的支援

介護に関する社外の制度やサービス等について、正社員に提供している情報をみると、「介護に関して、特に提供している情報はない」ところが67.9%と約7割を占めている。

介護に関する情報を提供している企業についてみると、提供している情報の内容として最も割合が高いものは「介護保険制度の仕組み」で、情報の提供方法は「社内のイントラネットに掲載している」「社内研修等の機会に情報提供している」「既存の介護に関するパンフレットやリーフレットを配布している」が上位3位で割合が高くなっている。

介護が必要となった人に対する経済的支援は、「特に行っていない」ところが、84.9%を占めている。

◎厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/

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