一般社団法人シルバーサービス振興会は、6月17日、平成25年度定時総会を都内で開催した。
当日は、最初に、同振興会会長の川村 隆氏(株式会社日立製作所取締役会長)が開会の挨拶を述べ、続いて、厚生労働省大臣官房審議官の西藤公司(にしとう・こうじ)氏が来賓の挨拶を述べた。
西藤氏は、同省審議官のなかでも、介護保険など高齢者施策を管轄する老健はじめ、社会(災害対策含む)、障害保健福局、医療・介護地域連携担当。
西藤氏は、最初に介護保険制度について触れ、「制度開始から13年、介護保険は国民にとってなくてはならない制度になっている」と制度の定着を評価。そして、財源について触れ、現在9兆円の介護保険分野の予算は、団塊の世代が後期高齢者となる2025年には20兆円にまで膨れ上がる試算であると説明し、「なんとか現在のシステムを持続可能なものにしていかなければならない」と述べた。
また、眼前の問題として、認知症高齢者の増加、大都市とその近郊の急激な高齢化問題、介護人材の確保など、大きな課題が山積であることを訴えた。そのうえで、「社会保障審議会介護保険部会でも、秋以降、制度改正にむけて本格的な議論が始まり」と、次期改正への審議が始動していることも示唆し、「今後、民間事業所による質の高いサービスがますます必要になってくる。さまざまな分野の企業によって構成されているシルバーサービス振興会の活動が、さらなるニーズへの質の高いサービス提供につながることを期待する」と結んだ。
続いて、役員の選任、平成24年度決算報告などの議案の後、平成24年度事業報告がなされた。
同振興会の昨年度の事業活動の報告では、福祉用具の消毒工程管理認定制度、住宅改修サービスに関する質の確保策の検討、東京都福祉サービス第三者評価事業における評価の受託などのシルバーサービスの質的向上に関するさまざまな事業や、シルバーサービスに関する情報提供・普及啓発事業、健康長寿のまちづくり事業等の推進などに加え、「厚生労働省老人保健健康増進等事業」(公募)による「シルバーサービスに関する調査研究」、厚生労働省「平成24年度情報公表支援業務企画書防臭要綱」(公募)による「介護サービス情報の公表制度に関する支援」、内閣府の「実践キャリア・アップ戦略キャリア段位制度実施事業」(公募)による「介護キャリア段位制度実施事業」が大きな事業の柱となった。
同振興会は、これら公募事業に関して、今年度も受託に向けて努力していくという。
◎シルバーサービス振興会
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