<「がん」の常識>がんの知識、女性のほうが豊富?――内閣府世論調査

内閣府は、3月16日、この1月に実施した「がん対策に関する世論調査」の結果を発表した。

それによると、8割近くの人が「がんをこわい」と思っており、がんの治療法など情報の入手にも大半が積極的で、セカンドオピニオンや緩和ケアについても6割以上が知っているなど、がんという病気に対して意識が高い人が多いことが明らかになった。
その反面、がん検診の受診率の低さの理由として忙しさを理由にあげる人が半数近くもいるなど、日常生活の余裕のなさががん予防にも影響していることが伺える結果となった。

【調査の概要】
■調査対象:20歳以上の男女1,883人から回収

■調査時期:2013年1月17日~27日

■調査方法:調査員による個別面接聴取法

主な調査の結果は以下の通り。

■がんをこわいと思うのは8割近く
がんについてどのような印象を持っているか聞いたところ、「こわいと思わない」が22.4%(「こわいと思わない」12.1%+「どちらかといえばこわいと思わない」10.2%)、「こわいと思う」が76.7%(「どちらかといえばこわいと思う」33.4%+「こわいと思う」43.3%)だった。

性別に見ると、「こわいと思わない」とする者の割合は男性で、「こわいと思う」とする者の割合は女性でそれぞれ高くなっている。
年齢別に見ると、「こわいと思わない」とする者の割合は70歳以上で、「こわいと思う」とする者の割合は30歳代と40歳代でそれぞれ高くなっている。

■治療費の高さや周囲への影響も「がんがこわい」理由
がんに対する印象について「どちらかといえばこわいと思う」「こわいと思う」と答えた者(1,444人)に、その理由を聞いたところ、「がんで死に至る場合があるから」をあげた者の割合が75.1%と最も高く、次いで「がんそのものや治療により、痛みなどの症状が出る場合があるから」(50.5%)、「がんの治療費が高額になる場合があるから」(46.5%)、「がんに対する治療や療養には,家族や親しい友人などの協力が必要な場合があるから」(36.4%)などの順となった(複数回答)。

性別に見ると、「がんそのものや治療により、痛みなどの症状が出る場合があるから」「がんの治療費が高額になる場合があるから」をあげた者の割合は女性で高くなっている。

■がんに関する知識が多いのは女性
がんについて知っていることを聞いたところ、「子宮頚がんのように若い世代で増えているがんもある」をあげたのは65.0%、「がんの治療方法には、大きく手術療法、化学療法、放射線療法がある」をあげたのは64.8%、「たばこはさまざまながんの原因の中で、予防可能な最大の原因である」をあげたのが64.3%と高く、以下、「日本では死亡者の約3人に1人ががんで死亡している」(44.3%)などの順となっている(複数回答)。

性別に見ると、「子宮頚がんのように若い世代で増えているがんもある」「がんの治療方法には、大きく手術療法、化学療法、放射線療法がある」をあげた者の割合は女性で高くなっている。

■5割近くが、がん健診を受ける時間がないと回答
受動喫煙について知っていたか聞いたところ「知っている」が91.8%(「よく知っている」77.5%+「言葉だけは知っている」14.2%)、「知らない」が7.9%だった。
年齢別に見ると、「知らない」と答えた者の割合は70歳以上で高くなっている。

日本のがん検診の受診率は、20~30%程度と低く留まっているが、多くの人ががん検診を受けないのはなぜだと思うか聞いたところ、「受ける時間がないから」をあげたのが47.4%と最も高く、以下「がんであると分かるのが怖いから」(36.2%)、「費用がかかり経済的にも負担になるから」(35.4%)、「健康状態に自信があり、必要性を感じないから」(34.5%)などの順となっている(複数回答)。

年齢別に見ると、「受ける時間がないから」をあげたのは20歳代から50歳代で、「費用がかかり経済的にも負担になるから」を挙げた者の割合は30歳代と40歳代でそれぞれ高くなっている。

■がんの情報の入手先は、病院や診療所が多い
がんと診断されたら自身のがんの治療法や病院について、どこで情報を入手しようと思うか聞いたところ、「病院・診療所の医師・看護師、がん診療連携拠点病院の相談支援センター以外の相談窓口」をあげた者の割合が60.9%と最も高く、以下、「がん診療連携拠点病院の相談支援センター」(43.6%)、「インターネット(国立がん研究センターのサイト以外)」(35.6%)、「家族・友人・知人」(34.5%)などの順となっている(複数回答)。

性別に見ると、「がん診療連携拠点病院の相談支援センター」をあげた者の割合は男性で、「インターネット」「家族・友人・知人」をあげたのは女性でそれぞれ多くなっている。

年齢別に見ると、「病院・診療所の医師・看護師やがん診療連携拠点病院の相談支援センター以外の相談窓口」をあげたのは60歳代で、「がん診療連携拠点病院の相談支援センター」をあげたのは30歳代と50歳代で、「インターネット」は20歳代から40歳代で、「家族・友人・知人」をあげたのは30歳代と40歳代でそれぞれ多くなっている。

■7割以上がセカンドオピニオンを認識
がんと診断されたら,治療を受ける病院を選ぶにあたり重視するのはどれか聞いたところ、「専門的な治療を提供する機器や施設の有無」をあげたのが65.5%と最も高く、以下、「医師や看護師の技術の優秀さ」(58.9%)、「自宅からの距離」(47.8%)、「受診にかかる経済的負担(交通費や差額ベッド代)」(33.7%)などの順となっている(複数回答)。

性別に見ると、「自宅からの距離」「受診にかかる経済的負担(交通費や差額ベッド代)」をあげたのは女性で多くなっている。
年齢別に見ると、「専門的な治療を提供する機器や施設の有無」「自宅からの距離」をあげたのは30歳代から50歳代で、「医師や看護師の技術の優秀さ」をあげた者の割合は30歳代と50歳代で、「受診にかかる経済的負担(交通費や差額ベッド代)」を挙げた者の割合は20歳代から40歳代でそれぞれ高くなっている。

がん治療にあたって「セカンド・オピニオン」という方法があることを知っていたか聞いたところ、「知っている」が72.5%(「よく知っている」45.5%+「言葉だけは知っている」27.0%)、「知らない」が26.5%となっている。
前回の調査結果(平成21年9月調査結果)と比較して見ると、「知っている」(57.2%→72.5%)とする者の割合が上昇し、「知らない」(42.1%→26.5%)と答えた者の割合が低下している。

性別で見ると「知っている」は女性で、「知らない」は男性でそれぞれ高く、年齢別では「知っている」は40歳代と50歳代で、「知らない」と答えたのは70歳以上でそれぞれ高くなっている。。

緩和ケアを知っているのは約6割
がんに伴う体と心の痛みを和らげる緩和ケアについて知っていたか聞いたところ、「知っている」とする者の割合が63.3%(「よく知っている」34.3%+「言葉だけは知っている」29.0%)、「知らない」と答えた者の割合が35.7%だった。
年齢別に見ると、「知っている」とする者の割合は50歳代・60歳代で高く、「知らない」と答えた者の割合は20歳代と70歳以上で高くなっている。

がんに対する緩和ケアはいつから実施されるべきものと思っているか聞いたところ、「がんと診断されたときから」と答えた者の割合が58.3%、「がんの治療が始まったときから」と答えた者の割合が22.6%、「がんが治る見込みがなくなったときから」と答えた者の割合が13.1%となった。
年齢別で見ると、「がんと診断されたときから」と答えた者の割合は20歳代から40歳代で、「がんが治る見込みがなくなったときから」と答えた者の割合は60歳代で、それぞれ高くなっている。

◎内閣府
http://www.cao.go.jp/

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