消費者庁は、認知症高齢者に高額なサプリメントを送りつけて契約を迫ったとし、特定商取引法違反で東京都豊島区の販売業者「かなめ堂」に一部業務停止6カ月を命じた。
処分期間は、2013年2月27日から年8月26日までで、その間、新規勧誘、申込み受付、契約締結という業務の一部を停止することになる。
同販売業者は、主に高齢者の自宅に電話をかけ、「要骨」「グルコサミン」と称する健康食品の電話勧誘販売を行い、消費者が注文した覚えがないのに「あなたが注文していた健康食品ができました」などと伝える「不実告知」、消費者が認知症であることを知りながら勧誘を行う「判断力不足便乗」などの違反を行ったという。
「不実告知」や「判断力不足便乗」など違法の電話勧誘は、認知症で特にひとり暮らしの高齢者がねらわれる可能性が高い。同様の事例を未然に防げるよう、十分に注意したい。
認定した違反行為は以下の通り。
■勧誘目的不明示
電話勧誘販売に際し、まず、「この商品はグルコサミンと高麗人参が入っていて骨に良い」など消費者の関心を健康に向けさせ、勧誘に先立って必要な勧誘目的を告げなかった。
■再勧誘
消費者が商品について注文した覚えがなく、売買契約を締結しない旨の意思を表示したにも関わらず、電話で勧誘を続けたり、再度電話をかけて勧誘を行った。
■書面不交付
消費者が商品の売買契約を締結した時、契約書面を交付していなかった。
■不実告知
電話勧誘販売に際し、消費者が注文した覚えのない商品を「以前、あなたが注文していた健康食品ができましたので送ります」など、売買契約に関して不実なことを伝え、消費者の判断に影響を及ぼした。
■判断力不足便乗
電話勧誘販売に際し、消費者が認知症であることを認識しながら、判断力の不足に乗じて勧誘を行い、商品の売買契約を締結をさせた。
◎消費者庁
http://www.caa.go.jp/
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