品川区は、来年度の予算で、介護保険施設で入所者の要介護度が軽くなった場合に成功報酬を支払う仕組みを導入すると発表した。
対象となるのは品川区施設サービス向上研究会(※)参加の10施設(特養8、老健1、ケアホーム1)。2013年4月1日を基準日として、過去1年間の入所者の要介護度の変化を調べ、介護度1段階改善につき月額2万円、最長12カ月の奨励金の交付を決める。例えば、2012年4月1日に要介護度4の人が、同5月1日に1段階軽くなり、それが2014年3月1日まで継続した場合、12カ月に渡り、月額2万円ずつが加算される。2013年度予算としては、約660万円を盛り込んでいる。
現在の介護保険制度では、介護施設において、入所者の要介護度が軽くなると、事業者への介護報酬は低くなるシステムとなっている。同区の新制度は、この減収分を補って施設の経営安定と介護職員の意欲を支えるようという狙いがある。要介護度の改善が介護サービスによるものかは判断しづらい面があるものの、きちんとしたサービスをしている事業所を報酬でどう評価していくかのヒントとして注目されている。
※品川区施設サービス向上研究会
2003年、区内特別養護老人ホームが中心となって立ち上げた自主的な研究組織。区との協力の下、施設サービスの品川区標準としてのセルフチェックを毎年実施するなど、施設全体でのサービスの質の向上に取り組んでいる。2012年現在、高齢施設10施設、障害者施設13施設が参加。
◎品川区公式ホームページ
http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/
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