厚生労働省は、2008年の国民健康・栄養調査結果を11月9日発表した。
この調査の目的は、健康増進法に基づき、国民の身体の状況、栄養摂取および生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることにある。今回の調査は昨年11月に行われたもので、調査項目は身体状況(身長・体重、血液検査など)、栄養摂取状況(摂取量、食事状況など)、生活習慣全般(今回の重点項目として体型、身体活動・運動、たばこ)。
【重点調査対象の結果の概要】
体型は2000年以降、男性は肥満者増加傾向が鈍化、女性は肥満者の割合が減少している。
肥満の男性のうち、約3割は体重を減らそうとしていない、またやせている女性の12%がさらに体重を減らそうとしている傾向が見られた。
身体活動・運動については、運動習慣のある人は全体の約3割。これは前回調査の2003年に比べ男女とも増加している。また、日常生活のなかで積極的に外出する人の割合は、男性の40歳代および70歳以上、女性の70歳以上で増加しているものの、外出することがほとんどない70歳以上の人の割合も、男性約1割、女性13%と、他の年齢階級に比べて多いことがわかった。
喫煙率は、男性36.8%(前回比−10%)、女性9.1%(同−2%)と、男女共に減少傾向にあり、特に男性の減少率が著しい。
今回の結果から、単に肥満だけでなくメタボリックシンドロームなど生活習慣と結びつき、後年大きな疾患を発症する可能性などが国民に浸透したこともあり、肥満率、喫煙率ともに減少傾向にあることがわかった。
また、意識的に身体を動かす、外出する割合はともに70歳以上男性が最多で、高齢男性が健康長寿のために積極的に身体を動かしていることがわかった。