経済産業省と厚生労働省は、6月6日、全国の都道府県等の関係部局に対し、全国の病院、介護施設および福祉用具貸与業者など約27,000ヵ所に対し介護ベッドの安全使用のための注意喚起と点検の依頼を行った。同時に、関連団体に対して点検に当たっての協力を依頼した。
経産省・厚労省によると、介護用ベッドを使用中に手すりや落下防止用のサイドレールの隙間に体をはさまれてなどの事故は、重大事故報告制度が始まった2007年度以降、59件(死亡事故28件、重傷事故31件)の事故が発生している。事故原因は、すき間をふさぐ対策部品を使用していなかったため、ベッド用手すりに身体の一部がはさまったものなど製品起因によらない事故が全体の8割を占めているという(原因不明、調査中を除く)。
経産省は2009年3月、JISを改訂し手すりのすき間についての基準を強化。2010年10月、経産省からベッドの製造事業者などに対して対策部品の取り付けに関して施設管理者などへの周知徹底の要請を行い、厚労省からは病院、施設に対して対策部品の取付けなどの注意喚起を実施してきたが、その後も事故が発生していることが明らかになり、今回の点検指示となった。
【点検の概要】
1.全国の都道府県等の関係部局に対し、管内の病院、介護施設および在宅向け福祉用具貸与業者等に対して、医療・介護ベッド安全普及協議会が作成した「医療・介護ベッド安全点検チェック表」を参考に製品の安全点検を行うよう依頼。また、必要に応じ、すき間をふさぐ安全部品の使用や新JIS対応のベッドの使用を依頼。
2.病院、介護施設、福祉用具貸与業者などの関連団体(63団体)に対して、点検に当たっての協力を依頼。
「医療・介護ベッド安全普及協議会」は、製品の安全な使用を呼びかけるための動画「医療・介護ベッドに潜む危険」を作成、ホームページにて公開中。