「介護と仕事の両立」、7割弱が勤務先の支援策に不満――第一生命調査

第一生命保険経済研究所は、4月12日、全国の親の介護経験がある正社員953 名を対象に実施した「介護と仕事との両立に関するアンケート調査」の結果を発表した。

同調査によると、介護のために仕事を辞めたいと思うことがある人のうち、69.0%が「勤務先の両立支援制度」に、51.2%が「家族の中での介護分担」に不満を感じていることがわかった。また、実際に介護休業制度を利用する人は2割にも達しないことも明らかになった。こうした結果から、「職員の介護事情に合わせて利用できる両立支援制度等の充実、またそれらを利用しやすいような職場環境づくり、介護をしながらでも働き続けやすい社会の早期実現が望まれる」と分析している。

調査は昨年9月22日〜10月2日にかけて行われた。調査の対象は企業に正社員として働く20-69歳のうち、現在もしくは過去に、自分か配偶者の親の介護を経験した人で、849人(男性551人、女性298人)を分析対象としている。

介護のために仕事を辞めたいと思うか
男性は「辞めたいと思うことがある」割合は25.0%、女性は33.9%であり、女性のほうが「辞めたいと思う」割合が高い。「家族の中での介護の分担」と「利用している介護サービス」についても、「辞めたいと思う」人の方がそうでない人よりも「満足している」の割合が低い。

介護のために仕事を辞めたいと思う理由
 第1位は「働きながら、在宅介護は難しいから」(39.5%)、第2位「親のため、介護のため介護に専念したいから」(30.2%)。特に女性は、普段から家事や子育ての不安もあり、それに加えて介護をしながら働くことの負担の大きさを感じている人が多い。男性の場合は、現状の働き方を維持することの難しさを感じている人が多いことがうかがえる。

介護生活における不安や悩み
介護生活がいつまで続くのか不安である」が80.2%と最多で、「介護のために自分の自由な時間がない」(65.1%)が続いた。

介護中の実際の働き方
「なるべく残業をしない」(52.2%)で、「たびたび有給休暇を取得する」 (32.5%)などして、介護との両立生活を乗り切っている人が多い。その他、「一定の範囲において出社・退社時刻を自由に決める(フレックスタイム)」(23.8%)、「一日の所定労働時間を短くする」(20.8%)などが続いた。「介護休業の取得」は18.8%にとどまった。

介護中の希望する働き方
男性の第1位は「フレックスタイム」(19.2%)、女性の第1位は「介護休業を取得する」(19.5%)。

介護と仕事の両立に関する意識
「会社は親の介護をしていることに理解をしてくれる」「勤務先の介護との両立支援制度は従事している」と思っている人の方が、そうでもない人よりも「自分は介護と仕事との両立ができている」と思っている割合が高い。

介護と仕事の両立のために必要な施策
第1位は「介護保険制度における介護施設の充実」(57.8%)、第2位は「介護保険制度における在宅介護サービスの充実」(43.6%)で、多くの人がまずは介護を支える制度の充実を期待しており、介護サービスの活用により、仕事との両立生活を乗り切りたいと思っている。その一方、介護休業制度や休暇制度の充実を希望する回答は、施設やサービスの充実を望む回答の半分以下だった。

◎第一生命保険

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