株式会社ヒューマン・ヘルスケア・システムは、このほど菊地雅洋著『人を語らずして介護を語るな2 傍らにいることが許される者』を発刊した。
2011年2月に発刊し、好評を博した『人を語らずして介護を語るな』に続く人気ブログ「masaの介護福祉情報裏板」の書籍化第2弾。ブログ記事を加筆・訂正したほか、書き下ろしも収録している。
著者は、北海道登別市の特別養護老人ホーム施設長。30年近く介護の現場で働いてきた視点で、介護保険制度や介護職への提言を行っている。地域包括ケアシステムへの懸念、利用者ニーズとケアプランとの齟齬、自立支援という概念のひとり歩き、虐待が起きる背景など、介護の現状と問題を考えさせられる提言は読みごたえたっぷり。
自身を含め、介護職・ケアマネを「社会福祉援助者」と定義する姿勢は一貫しており、現場感覚に裏打ちされた介護の理念と理想を展開。財源の枠組みや効率性で語られがちな環境の中、人間の存在への信頼と愛情を軸に、いかに人として血の通った介護を行なうかを綴る。東日本大震災の発生日にさかのぼる書き下ろしエッセイも掲載。
■目次
第1章 愛を語らずして福祉を語るな
震災を超えてー生きる希望 傍らにいることが許される者であるために ほか
第2章 現実に立ち向かうために
見えない自らの醜さー厚顔無恥のケアマネに泣かされる市民 闇にきらめく… ほか
第3章 心の声が聞こえるか
悪意のない悪魔 自立支援という言葉に騙されるな ほか
第4章 介護の日常を生きる
人を受容するとはどういうことか どちらになりたいのですか? ほか
介護歳時記
どうしようもなく北海道人、チームワークを生み出す動機づけ ほか
■書名:『人を語らずして介護を語るな2 傍らにいることが許される者』
■著者:菊地雅洋
■仕様:四六判・256ページ
■発行:ヒューマン・ヘルスケア・システム
■定価:1,890円(税込)
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