肺炎を「死につながる重い病気」と思っていない人が約7割−−ファイザー調べ

ファイザー株式会社は、肺炎に対する認識を明らかにするため、全国47都道府県の30歳以上の男女9,400人を対象にインターネット調査を実施し、このほどその結果を発表した。

調査結果によると、肺炎は日本人の死因の第4位だが、実際より低く答えた人は半数近く。また、肺炎についてのイメージでは「抗生物質で治療すれば治る」と答えた人が6割近くもいるなど、肺炎が「死につながる重い病気」という認識が不足していることがわかった。

今回の調査結果について、日本呼吸器学会理事で、長崎大学病院長の河野 茂氏は、マイコプラズマによる肺炎の流行も記憶に新しいなか、肺炎についての認識が医療関係者と大きくかけ離れていること、認識のずれが肺炎に罹患する可能性や受診が遅れて重症化することについて懸念を示した。

その上で、意外に一般的なことが多い肺炎の予防の徹底、高齢者には口腔ケアの重要性を指摘し、咳・熱・痰・食欲不振など「肺炎かも」と思われる症状が出た場合には、早めに医療機関を受診することをすすめている。

【調査の概要】
調査期間:2011年11月1日〜11月6日
調査対象者: 全国47都道府県の30歳以上の男女
サンプル数: 9,400サンプル
(47都道府県男女/各100、計200サンプル)
調査方法: インターネットアンケート調査

主な調査結果の内容は以下の通り。

■肺炎に対する危機意識が低い傾向が明らかに

「肺炎は日本人の死因の第何位だと思うか」との質問では、実際の順位の4位よりも低く答えた人が47.8%と半数近く。肺炎についてのイメージを訊ねる質問でも、「死亡につながる重い病気」が27.3%であったのに対し、「抗生物質で治療すれば治る病気」58.8%、「安静にしていれば治る病気」10.0%、「特に対処は必要のない病気」0.8%と、死亡順位が高いにもかかわらず、約7割の人が肺炎が「死につながる重い病気」と考えていないことがわかった。

また、「肺炎の入院治療をする場合、担当してもらう医師について希望はあるか」と質問したところ、「感染症の専門医」が最も多い40.6%だったが、同数の40.6%が「特に希望はない」と回答した。「かかりつけ医など普段診てもらっている医師」18.8%も加えると、6割近くの人が専門医による治療を希望しておらず、肺炎治療に対する専門性が重視されていないことが明らかになった。

■肺炎の治療は高齢者ほど長期化する傾向

これまでに肺炎の治療で入院したことがある350人に対し、「肺炎治療に要した入院期間はどれくらいか」訊ねたところ、「4〜7日以内」が37.7%と最も多く、次いで「11〜15日以内」19.1%、「16日以上」18.0%だった。一方、年代別に見ると、「16日以上」と回答した人は30代で9.6%(10人)、40代で9.5%(8人)と1割未満であるのに対し、50代では27.9%(24人)、60代以上では27.6%(21人)と約3割で、高齢者になるほど治療期間が伸びやすく、肺炎が長期化する傾向が見てとれる。

■手洗い、うがいなどの予防を実践している人は半数未満

「肺炎は予防できると思うか」と訊ねたところ、「思う」82.7%、「思わない」17.3%と、大半の人は肺炎を予防できる病気と認識していることがわかった。しかし、「日常から手洗い、うがい、マスク着用など感染症にかからないように意識しているか」との質問では、42.9%の人が「いいえ」と回答し、肺炎予防への認識はありながらも実践できていない人が多いことが明らかになった。

実際に行っている予防方法では、「手洗い」97.1%、「うがい」84.3%が多かった一方、「マスクの着用」は37.1%、「インフルエンザ等の予防接種」は36.3%と4割以下にとどまった。

また、「肺炎球菌による感染症を予防するワクチンがあることを知っているか」との質問では、60.1%が「知らない」と回答し、ワクチンに対する認知度は一般には普及していないことが明らかになった。

要介護者のいる家族の4割以上が「口腔ケア」の実施状況を把握せず

口腔ケア」は、高齢者において発症の危険性が高まる誤嚥性肺炎を予防する方法だが、在宅介護または療養施設などで治療を受けている家族がいる回答者794人に「口腔ケア(歯みがき)は1日に何回行われているか」を訊ねたところ、42.9%が「わからない」と回答し、高齢の家族がいる人であっても、口腔ケアへの関心が十分でないことが見てとれた。

◎ファイザー株式会社 

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