株式会社ファンケルは、新潟リハビリテーション病院の山本智章医師との共同研究より、骨量の減りやすい閉経後の女性がケール青汁を1年間摂取した場合の骨代謝へ与える影響について検証した。
その結果、吸収性の高いカルシウムや豊富なビタミンKを含むケール青汁を継続摂取することで、閉経後の女性における骨代謝マーカーが早期から有意に改善され、長期的な摂取による骨粗しょう症予防への有効性が示唆された。
【研究の概要】
平成21年国民健康・栄養調査(厚生労働省)によると、日本人のカルシウム摂取量は、「日本人の食事摂取基準(2010年版)」の推奨量を下回っており、また加齢による腸管からのカルシウム吸収能力の低下が原因の高齢者の骨粗しょう症も重要な問題となっている。
一方、青汁の原料となるケールには、溶解性の高いカルシウムが多く含まれており、ケールのカルシウムには、牛乳と同等以上の吸収率があることが確認されている。
この試験では、閉経後の女性13名(平均年齢59.4歳)を対象に、ケール青汁(ケール粉末加工品1本9.5gを100~150mlの水に溶かした飲料)を1日2〜3回、毎日摂取してもらい、摂取前、摂取3ヵ月後、6ヵ月後、12ヵ月後に血清カルシウムおよび骨代謝マーカーを測定したところ、骨量の減少が抑えられていることが明らかとなった。このことから、優良なカルシウムの補給源としてケール青汁が有用である可能性が示唆され、長期的な摂取による骨粗しょう症予防への有効性が期待される。
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